電子ピアノの選び方(大人向け)

電子ピアノの選び方【大人の初心者が価格で選んではいけない理由】

電子ピアノのポイント
ピアノの先生
ピアノの先生
こんにちは。
私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
ピアノを始めたいんだけど、どんな電子ピアノを選べばいいんだろう?

電子ピアノは、たくさんありすぎてどうやって選んだらいいのか悩みますよね。

私が教えている教室でも、大人になってからピアノを始めた方がたくさんいます。

なかには、電子ピアノを価格だけで選んでしまい後悔しているという方も…。

大人の初心者の方が、電子ピアノを価格で選ぶのはおすすめできません。

なぜなら、電子ピアノは価格によって性能が大きく変わるから。

どの程度の性能が必要かをはっきりさせた上で予算を決めてくださいね。

今回は、私が大人の生徒さんから聞いた

電子ピアノを買ってから後悔したこと

をもとに、大人の初心者のための電子ピアノの選び方をお伝えします。

「ピアノのことはよく知らない!」
という方のために、基礎的なことから説明していきますね。

この記事を読んでわかること
  • 電子ピアノを買ってから後悔しやすいポイント
  • 大人初心者のための電子ピアノの選び方
  • おすすめの電子ピアノ

電子ピアノを買ってから後悔しやすいポイント

私が大人の生徒さんからよく聞く電子ピアノの悩みは次の3つ。

  1. グランドピアノの鍵盤タッチとのギャップが大きい
  2. 強弱があまりつかない
  3. ハーフペダルができない

1つずつ、見ていきましょう。

グランドピアノの鍵盤タッチとのギャップが大きい

鍵盤タッチって、そもそもどういうこと?

鍵盤タッチとは、鍵盤を弾いたときに感じる重みです。

グランドピアノは、鍵盤を弾くと少し重みを感じます。

一方、電子ピアノの鍵盤は、グランドピアノの鍵盤タッチに近くなるように開発されているんですが、メーカーやモデルによってタッチ感は、さまざま。

グランドピアノに比べると、かなり軽いタッチのモデルもあるんです。

電子ピアノの鍵盤タッチが、グランドピアノより軽いと、どんな影響があるの?

ピアノ教室ではグランドピアノを使うことが多いんです。

でも、家の電子ピアノの鍵盤タッチが軽いと…

家では弾けるのに、教室では弾けない。

ということになりかねません。

ピアノの先生
ピアノの先生
ふだん、軽いダンベルで筋トレをしている人が、急に重いダンベルに変えてもうまくいかないですよね。

鍵盤タッチは、ピアノ教室に通う予定の方にとって、特に大事なポイントになりますよ。

強弱があまりつかない

弱い音で弾いたり、だんだんと盛り上げて強い音で弾いたり…

そういった音楽の表現がピアノ演奏ではとても大事!

でも、電子ピアノの場合、強弱の表現があんまりできないモデルもあります。

グランドピアノではもっと小さな音が出たのに電子ピアノでは出ない!

ということがあるんです。

音の強弱だけではなく、

  • やわらかい音
  • 軽やかな音
  • 重々しい音

など、音色にこだわってこそピアノの演奏は楽しくなるもの♪

気持ちよく演奏をするためにも、豊かな音色表現ができる電子ピアノを選びたいですね。

ハーフペダルができない

ハーフペダルの説明の前に…

そもそも、ピアノのペダルってどんなときに使うの?

ということからお話しますね。

ピアノには3本のペダルがあるのですが、なかでもよく使うのが、右側にあるダンパーペダル。

ダンパーペダルを踏むと → 音がのびる

つまり、鍵盤から指を離しても、ダンパーペダルを踏んでいれば、音が長く響くんです。

  • 離れた音と音をつなげたいとき
  • 音を重ねて響かせたいとき

などに使いますよ!

ピアノの先生
ピアノの先生
「離れた音と音をつなげたいけど、指が届かない!」
「和音を重ねたいけど指が足りない!」という時に、ダンパーペダルが助けてくれるんです。
じゃあ、ハーフペダルとは?

ハーフペダルは、ペダルの踏み加減で音の響きをコントロールできる機能のこと。

ハーフペダルができる電子ピアノなら…

ペダルを少し踏む → 軽く響く
たくさん踏む → たっぷり響く

というように、響き具合をコントロールできるんです。

音が響きすぎると、相性のよくない音と音が重なってしまい、濁った響きに…

せっかくのピアノ曲も音が濁ってしまっては台無し!

ピアノの先生
ピアノの先生
音を聴きながら、ハーフペダルで響きをコントロールすることが大事なんです。

大人初心者のための電子ピアノの選び方

大人の初心者の方が電子ピアノを買ってから後悔しやすいポイントは次の3つでした。

  1. グランドピアノの鍵盤タッチとのギャップが大きい
  2. 強弱があまりつかない
  3. ハーフペダルができない

つまり、買ってから後悔しないためには、次のような電子ピアノを選ぶのがおすすめ!

  1. グランドピアノに鍵盤タッチが近い
  2. 表現力が豊か
  3. ハーフペダルに対応している

1つずつ、見ていきましょう。

グランドピアノに鍵盤タッチが近い

電子ピアノの鍵盤には次の3種類があります。

  1. 樹脂鍵盤
  2. 木製鍵盤
  3. ハイブリッドピアノの鍵盤

下にいくほどグランドピアノの鍵盤タッチとのギャップが少ないんですが、価格も高くなります。

鍵盤のギャップ
いつまで続くかわからないし、いきなり高価な電子ピアノは買えないなぁ…。

という気持ちもわかります!

私が働く教室では、はじめは樹脂鍵盤の電子ピアノを選ぶ大人の生徒さんが多いんですよ。

ただ同じ樹脂鍵盤でも、価格によってタッチ感はさまざま!

なぜなら、樹脂鍵盤にはメーカーごとに1〜2種類あり、それぞれタッチ感が違うから。

参考に電子ピアノを製造している主な5つのメーカーの樹脂鍵盤を表にしておきますね。

それぞれ、①の鍵盤の方がグランドピアノの鍵盤タッチに近くなります。

ヤマハ ①グレードハンマー3(GH3)鍵盤
②グレードハンマースタンダード(GHS)鍵盤
カワイ ①レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ
②レスポンシブ・ハンマー・アクション・スタンダード
ローランド ①PHA-4スタンダード鍵盤
カシオ ①3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤Ⅱ
②スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤
コルグ ①RH3鍵盤
②NH鍵盤
ピアノの先生
ピアノの先生
ピアノ教室に通うなどグランドピアノを弾く機会がたくさんある方には、①の鍵盤が搭載された電子ピアノがおすすめですよ。

でも、②の鍵盤には

  • スマート
  • 軽量

などのメリットも!

そのため、次のような方には②の鍵盤が搭載された電子ピアノがおすすめです。

  • グランドピアノを弾く機会はあまりない
  • なるべくスリムな電子ピアノがほしい

スリムで高コスパな電子ピアノを探している方は「5〜6万円台の電子ピアノ | 高コスパモデル5選をヤマハ講師が解説」をどうぞ。

表現力が豊か

Twitterで、実際に電子ピアノを使っている大人の方、100人に

電子ピアノとアコースティックピアノのギャップで気になるところ

についてアンケートを取ったところ、表現力という回答がトップでした!

電子ピアノを選ぶときに表現力はとても大事なポイントなんですね。

表現力が豊かな電子ピアノを選ぶにはどんなことに気をつければいいの?

表現力に関係あるのが、次の2つ!

  1. 鍵盤センサーの数
  2. スピーカーの数

表現力豊かな電子ピアノを選ぶためには、スピーカーの数は、4つ以上が理想。

なんですが、スピーカーが4つ以上となると価格がぐっと上がってしまうので、この記事では

鍵盤のセンサー

について詳しくお伝えしますね。

スピーカー数にもこだわって選びたい方は「演奏力に差がつく!子供のための電子ピアノの選び方とおすすめ5選」を見てください。

鍵盤のセンサー

グランドピアノには、内部にがありますが、電子ピアノには弦がありません。

弦がないならどうやって音を出しているの?

電子ピアノの中には「音源」という音のデータが入っていて、鍵盤を押すと音源が再生されるしくみになっています。

音源は、グランドピアノの音を録音して作られてるんですよ。

グランドピアノは、鍵盤を押したときの

  • 強さ
  • 速さ
  • 長さ

などによって、音量や音色が変わります。

ピアノの先生
ピアノの先生
弦が見えるギターでイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、弦のはじき方で、音量や音色が変わりますよね。

一方、弦のない電子ピアノはどうやって音量や音色を変えているかというと…

鍵盤にセンサーがあり、それが指の動きを読み取って、それに合わせた音を出しています。

鍵盤にあるセンサーの数が少ないと、微妙な指の動きの違いを読み取ることができません。

ピアノの先生
ピアノの先生
センサーが少ないと、弱く弾いても強く弾いても、その違いを読み取れず、同じような音量、音色しか出ないんです。

表現力が豊かな電子ピアノを選ぶためには、

センサーが3つある鍵盤

または

精度の高いセンサーが搭載された鍵盤

がおすすめ。

具体的には、どの鍵盤?

樹脂鍵盤の中では、次の鍵盤がセンサーの精度が高いですよ。

ヤマハ グレードハンマー3(GH3)鍵盤
カワイ レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ
ローランド PHA-4スタンダード鍵盤
カシオ 3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤Ⅱ
ピアノの先生
ピアノの先生
豊かな表現力の電子ピアノを選ぶためには、上の鍵盤が搭載されたモデルがおすすめです。

ハーフペダルに対応している

きれいな響きで演奏するためには、ペダルの踏み加減を調整して音が濁らないようにしなければいけません。

ハーフペダルに対応している電子ピアノなら、ペダルの踏み加減で響きをコントロールすることが可能!

スタンド一体型(脚つき)の電子ピアノなら、ハーフペダル機能がついているモデルが多いです。

注意しなければいけないのが、ポータブルタイプの電子ピアノ。

ポータブルタイプに付属しているダンパーペダルでは、ハーフペダルができない場合もあるので、確認しましょう。

ピアノの先生
ピアノの先生
付属のダンパーペダルだとハーフペダルができないモデルも、別売りのペダルを使えばハーフペダルが可能になることもありますよ。

詳しくは「おすすめのポータブルタイプの電子ピアノと選ぶときの注意点」に書いています。

練習を楽しむための電子ピアノの選び方

電子ピアノの魅力の1つが多彩な機能です。

例えば…

  • アプリが使える
  • Bluetooth接続でスマホ内の曲を電子ピアノのスピーカーで再生できる

こういった機能はグランドピアノにはありません。
電子ピアノならではの楽しい機能で選ぶのもおすすめ!

詳しくはポイントを絞ればカンタン!電子ピアノの選び方をヤマハ講師が解説を読んでくださいね。

大人の初心者におすすめの電子ピアノ

買ってから後悔しないために電子ピアノを選ぶときにチェックしたいポイントは次の3つでした。

  1. グランドピアノに鍵盤タッチが近い
  2. 表現力が豊か
  3. ハーフペダルに対応している

今回は、10万円前後の価格のモデルの中で、上の3つのポイントを満たしている電子ピアノを紹介します。

具体的には…

  1.  鍵盤タッチがグランドピアノに近い樹脂鍵盤を搭載
  2. 鍵盤センサーが3つ、もしくは高精度センサーを搭載
  3. ハーフペダルに対応している

カワイ「CN29」

鍵盤タッチで選ぶなら、10万円クラスの電子ピアノの中で一番おすすめなのが、カワイ「CN29」。

我が家にも「CN29」の前モデル「CN27」があります。
購入の決め手になったのが、鍵盤タッチでした。

ピアノの先生
ピアノの先生
「CN29」と「CN27」の鍵盤は同じです。

この鍵盤なら、

家の電子ピアノでは弾けてたのに、教室のグランドピアノの鍵盤は重くて弾きにくい!

ということも少なくなると思います。

詳しくは「カワイCN29のヤマハ講師によるレビュー【CN27との違いや価格の差とは】」をどうぞ。

ヤマハ「YDP-164」

ヤマハ「YDP-164」の音は、ヤマハのコンサートグランドピアノ「CFX」をサンプリングしています。

ヤマハのアコースティックピアノを弾いていた方や、ヤマハ音楽教室に通う方にとって、とても弾きやすい音だと思います。

ピアノの先生
ピアノの先生
私も「YDP-164」の音は、弾きやすくて好きです。

鍵盤センサーの精度が高く連打性にすぐれているのも特徴!

詳しくは【YDP-164】ヤマハ講師が弾いた感想を口コミ!音がいい理由とはに書いています。

カシオ「PX-870」

3つのセンサーが順番に打鍵を感知するシステムになっているため、表現力が豊か連打性にもすぐれています。

  • 同時発音数256音
  • スピーカー数4つ

など、他メーカーの同価格帯の電子ピアノと比べてコスパが高いのも魅力!

詳しくは「【カシオ電子ピアノのおすすめ7選】価格や機能を他メーカーと比較!」をどうぞ。

ローランド「RP-501」

10万円クラスの電子ピアノの中で、音色数が圧倒的に多いローランドのRP-501。

各メーカー10万円クラスの電子ピアノの音色数
ヤマハ「YDP-164」 10音色
カワイ「CN29」 19音色
カシオ「PX-870」 19音色(スプリット機能使用時の低音域専用1音色を含む)
コルグ「G1-Air」 29音色+3ベース
ローランド「RP-501」 316音色

クラシックのピアノ曲以外に、ポップスなども弾きたい方は、音色がたくさんあるといろいろな楽しみ方ができますよ♪

ローランドの電子ピアノについてもっと知りたい方は初心者にも最適!ローランドの電子ピアノおすすめ7選をヤマハ講師が解説をどうぞ。

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