私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
何歳までなら身につくの?
そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
私が受け持った「ヤマハ音楽教室幼児科を修了した生徒の100%」に絶対音感がついています。
絶対音感を育てるために、レッスンでどのようなことをしているのかをお伝えします。
- 絶対音感を身につける6つの方法
- 一人だけ音感がつかなかった理由
- 絶対音感と相対音感の違い
- 絶対音感が身につくのは何歳までか
- 絶対音感のメリット
絶対音感を身につける6つの方法
私が受け持った「ヤマハ音楽教室幼児科を修了した生徒の100%」に絶対音感がついています。
なぜ音感がつくのかというと、聴覚が発達する時期に耳をたくさん使ったレッスンするから。
具体的には、次の6つの方法でレッスンをしています。
- ドレミで歌ってから弾く
- 歌いながら弾く
- 歌わずに弾く(音をよく聴く)
- 曲を弾き続ける
- 和音を聴き分ける
- 移調して弾く
1つずつ、見ていきましょう。
ドレミで歌ってから弾く
「楽譜を読んでから弾く」というピアノ教室も多いですよね。
でも、ヤマハ幼児科では、楽譜を読んでから弾きません。
「きく→うたう→ひく→よむ」という順番で曲を仕上げます。
繰り返しドレミで歌うことで、音の高さと音名を結びつけていきます。
歌いながら弾く
上で「弾く前にドレミで歌う」とお伝えしましたが、弾くときもドレミで歌いながら弾きます。
歌いながら弾くことで、音感がしっかりと定着していきます。
また、歌いながら弾けば曲の途中で指の動きがわからなくなっても、耳をたよりに鍵盤を探すことができます。
音感を身につけるためには、このインプットとアウトプットが大事
メロディでドレミを歌うのがインプット。
ドレミで覚えたメロディを鍵盤で探すのがアウトプットになります。
幼稚園で聞いた曲などを鍵盤上で探して弾く
ということをする生徒もいますが、そういった生徒は音感がつくのも速いですよ。(これもアウトプットになります。)
歌わずに弾く(音をよく聴く)
仕上げの段階では「歌わずに弾く」ということもします。
歌わずに弾くことで、出てくる音にしっかりと耳を傾けることができます。
これも大事なプロセス!
音の高さだけでなく、
- 左手で弾いている和音
- 先生の伴奏
なども集中して聴くことができます。
曲を弾き続ける
ヤマハ幼児科では、半年に1回程度クラスコンサートがあり、今まで弾けるようになった曲を発表する機会があります。
過去に弾いた曲は余裕を持って弾けるため、音をよく聴きながら弾くことができます。
また、新しい曲の導入に、過去のレパートリーを使うこともあります。
同じ曲を繰り返し、弾いたり耳にすることで音感が定着していきますよ。
和音を聴き分ける
幼児科では「ドミソ」などの和音を歌ったり、聴き分けたりします。
それにより、単音だけでなく、和音も聴き取れるようになります。
また、ヤマハ音楽教室では
右手 → メロディ
左手 → 和音伴奏
という曲をたくさん弾きます。
それにより、
メロディにどんな和音が合うかがわかる力
も身につけていきます。
移調して弾く
幼児科の次のコースでは、幼児科で弾いた曲が移調されて出てくることがあります。
それにより、
- 絶対音感
- ハーモニー感(メロディに合う和音がわかる力)
をさらに確実なものにしていきます。
1人だけ音感がつかなかった理由
私が見てきた生徒で、ヤマハ幼児科を修了し音感がつかなかった生徒はいません。
でも、講師1年目でレッスンしていた生徒のうち一人だけ、なかなか音感がつかなかったことがありました。
ヤマハ本部へ相談をして原因が私のレッスンにあると気づき、すぐに改善しました。
幼児科が修了する頃には、その生徒にも音感が身につきました。
なかなか音感がつかなかった原因は、次の2つ!
- 歌に集中させることができなかった
- 自宅練習へのフォローができなかった
1つずつ、解説します。
歌に集中させることができなかった
幼児科では、音感を育むために、曲をドレミで歌います。
生徒のなかには、恥ずかしさから声が出ない子もいます。
でも、
- 聴く
- 家で歌う
ことができていれば音感が身につきます。
音感がつかなかった生徒には、私の力不足から、集中して聴かせることができていませんでした。
- その歌に興味が持てる導入をする
- 歌声やピアノ伴奏で、歌に引き込む
- 一人ひとりの様子を把握し、全員が集中できる空間をつくる
などなど、当時の私には足りないものがありました。
自宅練習へのフォローができなかった
絶対音感は、家でも繰り返し、歌ったり弾いたりすることにより定着していきます。
音感がつかなかった生徒は、家であまり練習ができていませんでした。
しかし、保護者の方とのコミュニケーションが不十分でフォローができていませんでした。
絶対音感と相対音感の違い
音感には、次の2種類があります。
- 絶対音感
- 相対音感
「絶対音感」を身につけられる時期は限られています。
一方「相対音感」は、大人になってからでも身につけることができます。
2つの音感の違いを見ていきましょう。
絶対音感とは
絶対音感は、音を聞いたらすぐに「ド」などの音名がわかる力のことです。
基準となる音がなくても、1つの音を聴いただけですぐに音名がわかります。
と疑問に思う方もいるかもしれませんが、そういった人はほとんどいません。
絶対音感を持っている方がドレミで聴こえるのは、主に
- 楽器の音
- 人の歌声
などです。
また、サイレンなど音程があるものもドレミで聴こえるという人も多いです。
しかし、ドアを閉める音など生活音が、ドレミで聴こえる人はほとんどいません。
どうしてかというと、生活音は音階に当てはまらない高さであることが多いから。
ぴったり「ド」の高さではなく、「ド」と「ド♯」の間の高さの音がたくさんあるんです。
相対音感とは
「相対音感」は、他の音と比較して音を聞き分けられる力のことです。
一つの音を聴いただけでは音名がわからないため、基準となる音が必要になります。
例えば「この音がドだよ」と音を鳴らすと、その後に聴いた音の高さがわかります。
相対音感は、大人になってからでも身につけることができます。
基準となる音さえあれば、メロディを聴き取ることもできるようになりますよ。
絶対音感が身につくのは何歳までか
絶対音感が身につく年齢は、6歳頃までといわれることが多いです。
とはいえ、トレーニングを始めてすぐに身につくわけではありません。
つまり、6歳からスタートするのではなく、4〜5歳までには始めるべきだと思います。
ヤマハ音楽教室では、幼児科(4歳〜のコース)から本格的に音感を身につけていきます。
しかし、言葉が話せるようになる2歳頃から聴覚の発達が大きくなっていきます。
そのため、その時期からドレミに触れるのは効果がありますよ!
実際、
- 2歳、3歳からヤマハへ通っている生徒
- きょうだいの幼児科に一緒に来ていた下のお子さま
は、絶対音感が身につくのがはやく、和音の聴き取りなども得意!
ただし、年齢が低いほど、楽しく遊びの感覚であることも大事です。
楽しいと感じていなければ、興味を失ってしまいます。
絶対音感のメリット
絶対音感は、音楽を続けていく上で宝物になりますよ!
具体的にどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
メリットは、次の4つ!
- 譜読みが速い
- 暗譜が速い
- 楽譜がなくても曲が弾ける
- 作曲ができる
1つずつ、見ていきましょう。
譜読みが速い
絶対音感があれば、楽譜を見たときに頭の中で音楽を鳴らせるため、どんな曲なのかをイメージできます。
弾く前に音楽をとらえることができるため、譜読みが速くなります。
初見演奏も得意なことが多いですよ。
暗譜が速い
暗譜が速いのも絶対音感がある人の特徴。
理由は耳で覚えることができるから。
覚えようとしなくても勝手に覚えてくれるのが「耳」です。
さらに、耳で覚えたものは、なかなか忘れません。
絶対音感があれば、しばらく弾いていなかった曲でも、少しの練習でまた弾けるようになりますよ。
音色のわずかな違いを聴き取れるようになる
ピアノは、ほんのわずかなタッチの差で音色が変わります。
長くピアノを続け、音感を身につけると、音色の微妙な違いを聴き取れるようになります。
豊かな音色表現をするためには、音色の微妙な違いを
- 聴き分ける
- 弾き分ける
力が、とても大切になりますよ。
楽譜がなくても曲が弾ける
絶対音感があれば、耳にした曲を楽譜がなくても弾くことができます。
いろいろな和音を学べば、両手で曲を再現することも可能!
作曲ができる
絶対音感がなくても作曲はできます。
でも、絶対音感があれば頭の中でメロディを思いつくことができます。
また作ったメロディを弾きながら「こうすればもっと良くなる」というのが思い浮かびます。
頭の中で音が鳴らせるため、アイデアがたくさん出てくるんです。
まとめ
絶対音感は、聴覚が発達する時期に、耳をたくさん使ってトレーニングをすることで身につきます。
絶対音感を持つことは、音楽を続けていく上でたくさんのメリットがあります。
お子さまにピアノをさせたい方は、4〜5歳までに絶対音感を身につけられるようなレッスンを受けると、それは音楽を続けていく上で宝物になりますよ!
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