私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
ピアノ教室は「大手」「出張型」など種類もさまざまで、どれがお子さまに合っているか迷いますよね。
また、個人のピアノ教室は情報が集めにくいことも多いと思います。
そこで、子供のピアノ教室の選び方について、次の順番で解説します。
- ピアノ教室の種類
- 子供のピアノ教室を選ぶための5つのポイント
- 体験レッスンでチェックすべき4つのポイント
ピアノは、長く続けてこそ、力がつく習い事!
通ってから後悔しないよう、選び方のポイントを知りましょう。
ピアノ教室の種類
ピアノ教室には、次の5種類があります。
- 大手音楽教室
- 中規模音楽教室
- 個人のピアノ教室
- 出張ピアノ教室
- オンラインピアノ教室
お子さまにぴったりのピアノ教室を選ぶために、それぞれの特徴を見ていきましょう。
大手教室の特徴
全国にたくさんの教室がある大手ピアノ教室は、次の2つ!
「大手教室」のメリット、デメリットを見ていきましょう。
- オリジナルテキストがある
- 「講師採用試験」「研修」があるため、先生の指導力が一定レベル以上
- 発表会、コンクールの機会が多い
- 引っ越しの場合も近くの教室を紹介してくれる
- 休んだ場合の振替ができない
- オリジナルテキストが合わない場合がある
大手ピアノ教室は、全国に教室があります。
そのため、引っ越した場合も近くの教室を紹介してもらえるというメリットがあります。
テキストも全国共通のため、スムーズにレッスンを再開できるのが嬉しいですよね。
また「ヤマハ」「カワイ」どちらにも共通する特徴が、オリジナルテキストがあること!
それぞれ内容は違いますが
- 楽しみながら、無理なく力がつく
- ピアノ演奏力だけでなく、総合的な音楽力が身につく
など共通した特徴もありますよ。
ただし、カリキュラムが決まっているため、子供によっては
- 物足りない
- むずかしい
などの悩みが出てくることもあります。
私は、息子が4歳のとき、2つの教室の体験レッスンに行きました。
くわしくは、ヤマハ音楽教室とカワイ音楽教室を比較【現役ヤマハ講師の体験レポート】をどうぞ。
中規模教室の特徴
ヤマハやカワイほどの教室数ではありませんが、いくつかの県に教室がある中規模教室もあります。
- 椿音楽教室(関東、関西)
- EYS-Kids音楽教室(北海道、関東、中部、関西)
- シアーミュージック(全国)
- Beeピアノスクール(東京)
「中規模ピアノ教室」のメリット、デメリットを見ていきましょう。
- 先生が複数在籍しているため、希望に合った先生を見つけられる
- レッスン日予約制、振替可能など柔軟なスケジュール
- 子供に合わせたテキストを選べる
教室がある県が限られている
中規模教室には、ヤマハやカワイのようなオリジナルテキストはなく、市販のピアノ教本を使ってレッスンをしていきます。
そのため、一人ひとりに合わせた教材を選べるのがメリット!
また、先生が複数在籍しているため、
- やさしい先生
- 本格的な指導ができる先生
など、希望に合った先生を見つけやすいというメリットもあります。
また「振替OK」「レッスン日予約制」などスケジュールが柔軟な教室が多いのも中規模教室の特徴!
中規模教室については、東京で子供におすすめのピアノ教室12選 | ヤマハ講師が選ぶポイントを解説!で解説しています。
個人のピアノ教室の特徴
「先生の自宅=教室」という個人のピアノ教室もありますよね。
「個人のピアノ教室」のメリット、デメリットを見ていきましょう。
- 子供に合ったテキストを選べる
- 近所で見つけられることがある
- 先生が1人ということも多く、合わない場合は教室を変えなければいけない
- 「指導方針」「発表会の有無」「料金システム」などがわかりにくい
個人のピアノ教室は、住宅街にあることも多いですよね。
そのため、近所にあれば「子供が1人で通える」などのメリットがあります。
デメリットは、教室によって
- 指導方針
- 発表会があるか
- 料金システム
などがバラバラで、それらの情報を集めにくいことです。
比較するときにも、それぞれのホームページを見比べる必要があり、時間がかかります。
また、ホームページがない教室も少なくありません。
そのため、個人のピアノ教室を探すときは「教室検索サイト」がおすすめ!
例えば「ゼヒトモ」という検索サイトであれば、いくつかの質問に答えるだけでお子さまに合ったピアノ教室を最大5件に絞って紹介してくれます。
先生と直接メッセージのやり取りをすることもできますよ。
>>> Zehitomo(ゼヒトモ)でピアノ教室を探す
個人のピアノ教室の探し方については、【個人のピアノ教室の探し方】4つのポイントとおすすめの検索サイトをどうぞ。
出張型ピアノ教室の特徴
- 下の子がまだ小さい
- 両親が仕事をしている
などで、ピアノ教室への送迎がむずかしい方もいらっしゃいますよね。
そんな方におすすめなのが、出張型のピアノ教室です。
それでは「出張型ピアノ教室」のメリット、デメリットを見ていきましょう。
- 送迎が不要
- 忘れ物をする心配がない
レッスンで自宅のピアノを使う
出張型ピアノ教室のメリットは、送迎がいらないこと。
デメリットは、レッスンで自宅のピアノを使うことです。
ピアノ教室の多くは「グランドピアノ」「アップライトピアノ」などアコースティックピアノを使ってレッスンをします。
一方、出張型ピアノ教室は、生徒の自宅のピアノを使います。
自宅にあるのが電子ピアノの場合は、アコースティックピアノを弾く機会がなくなってしまうというデメリットがあります。
オンラインピアノ教室の特徴
自宅からレッスンを受けられる「オンラインピアノ教室」も増えてきました。
「オンラインピアノ教室」のメリット、デメリットを見ていきましょう。
- 全国から先生を探せる
- 送迎が不要
- 低価格なケースが多い
- 事前に準備が必要
- 先生と同時に演奏することがむずかしい
- 子供は集中しにくい場合がある
オンラインピアノ教室は、距離に関係なく、全国から先生を選べるのが魅力!
たくさんの先生が在籍しているため、お子さまにピッタリの先生を探せますよ。
デメリットは、
生徒が右手を弾いて、先生が左手を弾く
など、同時に演奏することがむずかしいこと。
理由は、オンラインレッスンで使うビデオチャットツールは、音が少し遅れて相手に伝わるからです。
また、子供によっては、オンラインレッスンは集中しにくいこともあり、レッスン中に保護者の方のサポートがあると安心ですよ。
オンラインピアノ教室には、次の2種類があります。
- オンライン専門
- オンライン、対面レッスンどちらも可能
くわしくは、オンラインピアノレッスンおすすめ8選と選び方をヤマハ講師が解説に書いています。
子供のピアノ教室を選ぶための5つのポイント
子供のピアノ教室を選ぶときの「ポイント」は次の5つ。
1つずつ、見ていきましょう。
- グループor個人or集合個人
- 先生の指導スタンス
- 発表会、コンクールの機会
- グランドピアノがあるか
- 振替ができるか
グループor個人or集合個人
ピアノ教室のレッスン形態には、次の3種類があります。
- グループ(ヤマハ音楽教室)
- 個人
- 集合個人
子供の「グループレッスン」があるのは「ヤマハ音楽教室」だけです。
それぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。
- 友達がいるから楽しい、やる気が出る
- 演奏力だけでなく総合的な音楽力が身につく
- アンサンブルにより「等速感」「聴く力」が身につく
グループ全体で進度を合わせるため「ついていけない」「物足りない」などの悩みが出てくることがある
- 一人ひとりに合わせたペースで進むことができる
- 細やかな指導ができる
- 低価格
- ピアノ仲間ができる
一人ひとりにかける時間が短いため、細かい指導ができない場合がある
と迷いますよね。
私も子供を通わせるときに迷いましたが、体験レッスンに行くとイメージが湧き、すんなりと決めることができましたよ!
先生の指導スタンス
大手音楽教室は、カリキュラムが明確になっています。
しかし、個人のピアノ教室の場合「先生の指導スタンス」によってレッスン内容に大きな違いがあります。
通い始めてから、
などとならないよう、事前に確認しましょう。
そのためにも、次のような「ピアノ教室へ通う目的」をはっきりさせておくといいですよ!
- 楽しく続けてほしい
- 音大も視野に入れて本格的なレッスンをしてほしい
また「レッスンはクラシックのみ」という先生もいるため、
- ポップス
- ジャズ
など、「お子さまが弾きたいジャンル」のレッスンが可能かも確認しておくと安心です。
発表会、コンクールの機会
- 大手ピアノ教室
- 中規模ピアノ教室
は、発表会があることがほとんどです。
一方、
- 個人のピアノ教室
- オンライン専門のピアノ教室
は、「発表会」「コンクール」がない場合もあるため、確認しておきましょう。
グランドピアノがあるか
「グランドピアノ」と「アップライトピアノ」では、
- 響き
- タッチ
などに違いがあります。
- コンクールに出演させたい
- 将来は音楽の道へ進ませたい
場合は、グランドピアノがある教室を選びましょう。
振替ができるか
大手ピアノ教室は、基本的に振替ができません。
一方、
- 中規模ピアノ教室
- オンラインピアノ教室
は振替に対応していることが多いですよ。
個人のピアノ教室は、それぞれなので事前に確認しておきましょう。
体験レッスンでチェックすべき4つのポイント
ピアノ教室を選ぶときには「体験レッスンを受ける」のがおすすめです。
なぜなら、ピアノレッスンを長く続けるために、一番大事なのが「先生」だから。
- レッスンが楽しい
- 子供が先生のことが大好き
そういう先生であれば、長くピアノを続けられますよ!
それでは、体験レッスンでチェックするポイントを見ていきましょう、
ポイントは、次の4つ!
- 子供が集中できる工夫があるか
- 相談しやすい先生か
- レッスンは保護者同伴か
- 基本情報
1つずつ、解説していきます。
子供が集中できる工夫があるか
子供の集中力は、長続きしません。
特に、幼児の集中できる時間は「年齢+1分」と言われることもあります。
そのため、体験レッスンでは、
- 子供が飽きずに集中できる工夫があるか
- レッスンの最後まで楽しめているか
などを確認しましょう。
具体的には、
- 子供が興味を持つレッスン内容か
- 子供が飽きてきた場合に、臨機応変に対応してくれるか
- 子供の集中力に合わせて「弾く」「歌う」「リズムをたたく」などを取り入れているか
などがポイントになってきますよ。
相談しやすい先生か
子供にピアノを習わせていると、いろいろな悩みも出てきます。
そのため、保護者の方にとって、
- 話しやすい
- 相談しやすい
と思える先生なら、安心ですよ。
特に多いのが、
- 子供がピアノの練習をしない
- 練習中に親子げんかになってしまう
などの「練習についての悩み」です。
練習については、
- 練習カレンダー
- 合格シール
など、独自の工夫をされている先生もたくさんいます。
特に心配であれば、そのような「練習へのフォロー」があるかを確認してみるといいですよ!
保護者同伴か
ヤマハ音楽教室の「幼児科」のレッスンは、保護者の付き添いが必要になります。
また、そのほかの教室も
幼児期は付き添いをお願いしている
という教室もあるので、確認しておきましょう。
基本情報
- レッスン料
- レッスン回数
などは、体験レッスン前にホームページなどで調べている方も多いですよね。
でも、体験レッスンでも改めて確認しましょう。
なぜなら、
- 年齢が上がるとレッスン料も上がることがある
- 大手音楽教室の場合、施設費が教室によって違う
- コースによってレッスン回数が変わることがある
から。
まとめ
子供のピアノ教室の選び方について、お伝えしました。
それぞれの教室の特徴や、体験レッスンでのチェックポイントを知り、お子さまにピッタリのピアノ教室を選んでください。
通ってから後悔しないために大事なのは、体験レッスンです。
体験レッスンが子供にとって楽しく、保護者の方にとって信頼できる先生であれば、きっと長くピアノを続けることができますよ!
近所でピアノ教室を探したい方は、【個人のピアノ教室の探し方】4つのポイントとおすすめの検索サイトをどうぞ。
「大手or中規模教室」で迷っている方は、東京で子供におすすめのピアノ教室12選 | ヤマハ講師が選ぶポイントを解説!をどうぞ。(こちらの記事で紹介している教室の中には、東京以外でもレッスンを受けられる教室もあります。)