ピアノの先生
ピアノの先生
こんにちは。
私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
電子ピアノでは練習の限界がきている気がする…。
アップライトピアノに買い替えた方がいい?

子どものピアノの練習を見ていると、そんな風に考える時期がやってきます。

でも、アップライトピアノは決して安い買い物ではないため、

  • どのタイミングで買い替えたらいいの?
  • せっかく買っても、子どもがピアノを辞めたらどうしよう

という迷いから、なかなか買い替えを決められない方も多いと思います。

私は長い講師生活の中で、たくさんの生徒が電子ピアノからアップライトピアノへ買い替えるのを見てきました。

この記事では、実際の買い替え事例をもとに

  1. 電子ピアノからアップライトピアノに変えるタイミングで多いのは?
  2. 電子ピアノの練習で困る3つのこと
  3. 電子ピアノからアップライトピアノへ後悔しない買い替えのサイン

の順番で解説します。

電子ピアノからアップライトピアノに変えるタイミングで多いのは?

電子ピアノからアップライトピアノ、いつ買い替えるのが正解?

そう悩んでいる方のために、私が実際に見てきた、電子ピアノからアップライトピアノへ買い替えたタイミングを、ランキング形式で紹介します。

私の生徒だけでなく、他の先生の生徒の買い替え事例も含めています。

「そろそろ買い替えた方がいいのかな?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

第3位
親がアコースティックピアノを弾いて、その違いを実感したとき

第2位
コンクール出場をきっかけに

第1位
子ども自身が「電子ピアノでは思うように練習ができない」と感じ始めたとき

第3位は、お子さまとの連弾などでお母さまがアコースティックピアノを弾く機会があったときです。

お母さま自身が、

家の電子ピアノでは弾けていたのに、教室のピアノだと鍵盤が重く感じて弾けない。
思うように強弱がつけられない。

と感じて、買い替えをされました。

第2位は、コンクール出場です。

コンクールに出ることにより、

  • 他のお友達の演奏から刺激を受ける
  • 「入賞したい!」という気持ちから練習が増える

などがきっかけとなってアップライトピアノを購入される方が多いです。

第1位は、子ども自身が「電子ピアノでは思うように練習ができない」と感じ始めたときです。

練習を頑張っているのに、成果が出ない。

そんなお子さまの様子を見て、アップライトピアノを購入される保護者の方がとても多いです。

では、電子ピアノだと、実際に練習のときにどんなことに困るでしょうか?

次のパートでくわしく解説します。

電子ピアノの練習で困る3つのこと

子供
子供
教室のピアノは鍵盤が重くて上手に弾けない。

このように、電子ピアノの鍵盤が軽く、教室のグランドピアノだとうまく弾けないという話は聞いたことがある方も多いと思います。

ですが実際には、それ以外にも電子ピアノの練習で困ることがたくさんあります。

特に、差が出るのは次の3つ!

  1. 強弱|思い通りの音量・バランスにならない
  2. 音色|イメージした音色を出す練習がしにくい
  3. ペダル|感覚が異なる

1つずつ、くわしく見ていきましょう。

強弱|思い通りの音量・バランスにならない

電子ピアノでは、強弱を細かく表現する練習が難しい場合があります。

具体的には…

  • ppでの繊細なタッチができない
  • 少しずつ自然に音量を変えていくことができない
  • イメージ通りの強弱表現にならない
  • 腕全体を使うような大きな音を電子ピアノで出そうとすると手を痛める可能性がある
  • 右手と左手の音量バランスをイメージ通りにできない

などです。

電子ピアノは、強弱を段階的にしか表現できないモデルが多く、アップライトピアノのような繊細な表現がむずかしいことがあります。

また、とても小さな音や大きな音も、アップライトピアノのようには出せません。

音色|イメージした音色を出す練習がしにくい

音色の練習では、次のようなことで困ることがあります。

  • 表現できる音色に限界があり、イメージした音色が出ない
  • イメージした音色を出すための身体の使い方の練習ができない(感覚がつかめない)

電子ピアノの技術はとても進化していて、現在は音色が豊かなモデルが多いです。

とはいえ、タッチによって無限に音色が変わるアコースティックピアノに比べると、まだ出せる音色に限界があると感じます。

また、アコースティックピアノのときと同じタッチ、身体の使い方をすれば、電子ピアノで同じ音色が出るかというと、むずかしいです。

そのため、電子ピアノだけの練習では、イメージした音色を出す感覚がなかなかつかめません。

ペダル|感覚が異なる

ピアノ演奏では、ペダルのふみ加減で響きを調整しますが、その感覚が電子ピアノとアップライトピアノでは、違います。

ピアノの練習では、音が濁っていないかをよく聴きながらペダルの踏み加減の調整をします。
その練習が、電子ピアノだけではむずかしいです。

電子ピアノからアップライトピアノへ後悔しない買い替えのサイン

では、実際にどんな状態になったら、アップライトピアノへの買い替えればよいのでしょうか?

私は、

  • 何年ピアノを習ったら
  • 何年生になったら

という年数や学年だけでは決められないと思います。

大切なのは、今のお子さまがどんな演奏をするようになったかです。

次のような変化が見られたら、買い替えを検討するタイミングかもしれません。

  • 教室のグランドピアノと鍵盤タッチのギャップを感じる
  • トリルなど細かい音符やテンポの速い曲が思うように弾けない
  • 家では弾けるのに、レッスンでは弾けないことが多くなった
  • 強弱をもっと細かく表現したいと思うようになった
  • 「こんな音色で弾きたい」というイメージを持つようになった
  • ペダルで細かい表現を練習するようになった
  • コンクールなど、より高いレベルの演奏を目指すようになった
  • 子ども自身が電子ピアノでの練習に限界を感じている

この中に当てはまるものが増えてきたら、アップライトピアノへの買い替えを考えましょう。

  • アップライトピアノの選び方のポイント
  • おすすめのアップライトピアノ

については、ヤマハ、カワイのアップライトピアノおすすめ6選 | 失敗しない選び方を解説に書いています。

まとめ | 買い替えは「何年目」ではなく「表現したいこと」で考える

電子ピアノは、時間帯を気にすることなく練習ができるとても便利な楽器です。

実際、ピアノを始めたばかりの頃や、まだ演奏表現がそれほど複雑ではない時期には、電子ピアノでも十分に練習できます。

でも、ピアノが上達して

  • もっと小さな音で弾きたい
  • もっと豊かな音色で弾きたい
  • ここはもっと歌うように強弱をつけたい

など、お子さま自身が「もっと豊かに表現をしたい」と思うようになると、電子ピアノでは練習の限界がきます。

もし、今の電子ピアノでは子どもがやりたい練習ができていないかもと感じたら、アップライトピアノへの買い替えを検討しましょう。

グランドピアノに近い電子ピアノについては、グランドピアノに近い電子ピアノ【上級者も満足できるメーカーとは】で詳しく解説しています。