私は、ヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
それぞれのメリット、デメリットを知りたい!
補助ペダルはたくさんあるため、どうやって選べばいいのか迷いますよね。
また、実物がないとイメージがしにくく、
と心配になることもあると思います。
そこで、補助ペダルについて
- 補助ペダルの種類
- 補助ペダルの選び方
- 補助ペダルのおすすめ
の順番で解説していきます。
補助ペダルの種類
補助ペダルには、次の2種類があります。
- 一体型補助ペダル(足台つき)
- 分離型(ペダルと足台がバラバラ)
それぞれの
- 適用身長
- メリット
- デメリット
を見ていきましょう。
適応身長は目安であり、製品によって異なります。
一体型補助ペダル(足台つき)
一体型補助ペダルとは、画像のように「足台にペダルがくっついているもの」です。
110cm前後〜130cm
高さ調整に時間がかからない
- 適用身長の幅が狭い
- ペダルの踏み心地が重いものがある
分離型補助ペダル
分離型の補助ペダルは、画像のように
- ペダル
- 足置き台
が、別々になっているものです。
分離型の補助ペダルでよく使われているのが「アシストペダル」です。
「アシストペダル」は「ジェネピス」というメーカーの商品ですが、この他にもいろいろなメーカーから「分離型の補助ペダル」が販売されていますよ。
100cm〜ペダルに足が届くようになるまで
- 適用身長の幅が広い
- 踏みやすい
- 持ち運びに便利
- ペダルに直接取り付けるため、ずれにくい
高さ調整に時間がかかる
分離型の補助ペダルは、ピアノ本体のペダルに直接、取り付けます。
そのため、踏みやすく動きがスムーズなのが特徴!
ただし「足台」と「ペダル」の高さをそれぞれ調整しなければいけないため、一体型に比べると調整に時間がかかります。
「補助ペダル」「アシストペダル」どちらを購入すればいいのか
- 一体型の補助ペダル
- 「アシストペダル」のような分離型の補助ペダル
どちらを購入すればいいのか迷っている方もいますよね。
結論から言うと、家庭で使うなら「分離型の補助ペダル」がおすすめです。
理由は、2つ。
- 分離型の方が、小さな力でも踏みやすい
- 一体型補助ペダルは130cmぐらいまでしか使えないため、分離型に買い換える必要がある
ただし、分離型の補助ペダルは、一体型に比べると、高さ調整に時間がかかります。
そのため、
- 130cm未満のお子さまが複数人いる
- ピアノ教室の先生
など、頻繁に「高さ調整」が必要な場合は、一体型の補助ペダルが使いやすいですよ。
補助ペダル(分離型)の選び方
まずは、分離型の補助ペダルの選び方を見ていきましょう。
ポイントは、次の2つ!
- 適用身長
- 高さ調整の方法
適用身長
分離型の補助ペダルは、商品によって適用身長が違います。
まずは、お子さまの身長でも使えるものかを確認しましょう。
高さ調整の方法
分離型補助ペダルの「高さ調整の方法」は、商品によってさまざまです。
- きょうだいで使う
- ピアノ教室で使う
などの場合は、高さ調整がスムーズなものがおすすめ!
補助ペダル(分離型)のおすすめ
分離型補助ペダルのおすすめは、次の7つ!
- 23MODELアシストセット
- アシストペダル
- キッズペダル
- リトルピアニスト
- イージーペダル
- フィットペダル
- デジペタ
23MODELアシストセット
分離型の補助ペダルとして、とてもよく使われているのが、アシストペダルです。
その新モデルが23年に発売されました。
ペダルの高さ調整の幅が、
2.5cm〜22.5cm
と大きく広がりました!(20cm、22.5cmの高さは、別途コマの購入が必要)
- スツール(足台)→8段階調整(別売りコマ購入で10段階)
- ペダル→7段階調整(別売りコマ購入で9段階)
と、細かく調整できるのが嬉しいですよね。
また、以前のモデルは、高さ調整に専用工具が必要でしたが、それが不要になりました。
さらに、ペダルの前後の動きも好みに合わせて調整できるようになりました。
アシストペダルは、ペダルを踏むと少し前後に動くようになっています。
これには、ペダルから足裏がずれてしまうのを少なくするというメリットがあります。
ただ、不安定に感じる場合もあったため「NEWアシストペダル」は、動きの幅を調整できるようになりました。
専用キャリングバッグに入れて、コンパクトに持ち運びできるのも便利ですよ。
- ペダルの高さ/2.5cm〜22.5cm(20cm、22.5cmの高さは、別途コマの購入が必要)
- 足台の高さ/2.5cm〜25cm(22.5cm、25cmの高さは、別途コマの購入が必要)
アシストペダル
ひとつ前でお伝えした「23MODELアシストセット」の旧モデルです。
「23MODEL」と比べると
- 身長130cmくらいからしか使えない
- 高さ調整に工具が必要
- ペダルの前後の動きを調整できない
という特徴があります。
ただ、「23MODEL」より低価格のため、こちらを選ばれる方もいます。
- ペダルの高さ/4.5cm〜13.6cm
- 足台の高さ/2.5cm〜12.5cm
キッズペダル
足で踏む部分が、半球になっているのが特徴的なキッズペダル。
足の裏と接する面が多くなり小さな子供でもしっかりとペダルを捉えることができるから。
高学年になったときには、半球ペダルを外して使うことも可能。
とても安定していて
- 踏み替えが多い曲でもスムーズなペダリングができる
- ハーフペダルなど繊細な表現も可能
という特徴があり、たくさんペダルを使う曲でも安心です。
高さは、8段階に調整が可能!
さらに、別売りアダプターを使うと11段階まで調整ができるようになります。(アダプターを使うと、深く踏んでもハーフペダルになります。)
高さ調整も、手でネジを締めるだけなのでかんたん!
試したい方には、貸出もしてくれますよ!
ペダルの高さ/0cm〜19.5cm(別売りアダプター使用で、もっと高くできます)
ペダル下に隙間がない電子ピアノにも取り付けが可能な「Uタイプ」もあります。
リトルピアニスト
本体が「航空機ジュラルミン製」で軽くて丈夫なリトルピアニスト。
小さな力でも踏みやすく、ハーフペダルなど繊細な表現が可能です。
「踏みやすさ」の理由は、足をのせる部分が
- 大きめ
- 人間工学に基づいた形状
という特徴があるから。
また「リトルピアニスト」は、高さ調整が、とてもかんたんで速いんです。
ピアノの先生など、頻繁に高さ調整をする方にもおすすめですよ。
モニター制度申し込みは、公式ホームページからどうぞ。
高さ調整/0cm〜20cm(別途、部品の購入必要な段階がある)
イージーペダル
- リーズナブル
- ピアノペダルに近い形で踏みやすい
- 軽量、コンパクトで持ち運びに便利
という特徴がある、イージーペダル。
ピアノペダルに足が届くようになったけど、まだペダルが重く感じる
というお子さまには、ペダルを反転させて使うことも可能!
デメリットは、高さ調整ができないこと。
- ペダルの高さ/6.5cm(反転させて0cmでも使用可能)
- 足台/8cm(別売りスペーサー使用で+2cm)
身長に合うなら、
- 取り付けしやすい
- 軽くて踏みやすい
などレビュー評価も高いため、おすすめです。
フィットペダル
- 身長125cm〜
- 身長130cm〜
と身長に合わせてセット販売されているため、迷わなくていいのが嬉しいフィットペダル。
高さ調整は、
- ペダル→4段階
- 足台→3段階
となります。
ペダルの高さ調整をするためのアタッチメントは、ビスで固定します。
安定感はありますが、時間がかかるため、頻繁に高さ調整をする場合には向いていません。
- ペダルの高さ/ベースペダル+4cm、7cm、10cm
- 足台/3.8cm、7.6cm、9.6cm
デジペタ
「アシストペダル」と同じメーカーから販売されている
電子ピアノ専用の補助ペダル
です。
電子ピアノの中には、分離型補助ペダルが使えないものもあります。
「デジペタ」は、そのような電子ピアノにも使うことができますよ。
スツールもおしゃれ!
補助ペダル(一体型)の選び方
つづいて、一体型補助ペダルの選び方を見ていきましょう。
選び方のポイントは、次の5つ!
- 高さ調整の範囲
- 高さ調整の方法
- スラント方式か
- 台の幅・重量
- ペダル押さえの形
高さ調整の範囲
補助ペダル(一体型)の多くは、足台の高さが最高23cmぐらいまでとなります。
その高さの補助ペダルが使えるのは、身長110cmから。
足台がそれより高く上がる補助ペダルは、限られています。
- 「M-60R+」 …約13.5~約26cm
- 「M-60」…約13.5~約26cm
上の2つであれば、110cm前後のお子さまでも使用可能!
ただし「M-60」は、ピアノに設置すると約16cm程までしか下がりません。
「M-60R+」の方が、より低くすることができるため、長く使えますよ!
- ピアノの椅子に正しい姿勢で座る(ひじが白鍵の表面と同じ高さになるように)
- 床から「かかと」までの高さを測る
②で測った高さまで上がる補助台を選ぶ
高さ調整の方法
一体型補助ペダルの「高さ調整の方法」は、次の3つ!
- 無段階ネジ式
- フリーストップ式
- 段階別ラック式
ピアノ補助ペダルの多くは「無段階ネジ式」になっています。
細かい高さの微調整が可能というメリットがありますが、高さの調整に時間がかかります。
そのため、
- きょうだいで使う
- ピアノ教室で使う
など、高さ調整の機会が多い場合は
- フリーストップ式
- 段階別ラック式
がおすすめです。
それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
無段階ネジ式
ハンドルを回して、高さを調整します。
細かい高さの微調整が可能。
デメリットは、高さが少しずつしか変わらないため、調整に時間がかかること。
フリーストップ式
ハンドルがロックになっていて、解除すると、素早く高さを調整できるようになります。
- 高さ調整がスムーズ
- 細かい高さの微調整が可能
という2つのメリットがあります。
段階別ラック式
「4段階」「8段階」など、高さを止められる場所が決まっています。
そのため、細かい高さの調整はできません。
しかし、
- 高さ調整が速い
- 毎回、同じ高さに設定できる
というメリットもあります。
スラント方式か
ピアノのペダルは、床にかかとをつけたまま踏みますよね。
つまり、真上から垂直に押さえるのではなく、斜めに押さえる形になります。
補助ペダルのほとんどは、このように斜めに押さえるタイプになっており、それを「スラント方式」といいます。
「スラント方式」の補助ペダルには、
- 踏み心地が軽い
- ペダル押さえが外れにくい
というメリットがあります。
一方、垂直に押さえるタイプもあります。
垂直タイプには「ピアノと体の距離を近くできる」というメリットがあるものの、ペダル押さえが外れやすいというデメリットもあります。
特に、本体の重量が軽いものは、外れやすいため注意しましょう。
台の幅・重量
一体型の補助ペダルは「重量があるもの」がおすすめ!
なぜなら「軽い補助ペダル」は、ピアノペダルの反発によって台が浮いてしまうことがあるから。
また、台の幅は「広いもの」の方がおすすめ。
理由は、
- 安定感がある
- 高音域、低音域を弾くとき、足幅を広げることがある
からです。
ペダル押さえの形
ペダル押さえの形には、次の3種類があります。
- L字型
- 丸型
- LL字型
それぞれの特徴を見ていきましょう。
L字型
- ピアノペダルとの接着面が、四角
- 手前側にストッパーがつき、L字型になっているため、外れにくい
ただし「2本ペダルのピアノ」の場合、L字型だと外れやすいため、次にお伝えする「丸型」がおすすめです。
丸型
- ピアノペダルとの接着面が、丸型
- 接着面が広く、2本ペダルでも外れにくい
LL字型
「M-60R+」という補助ペダルは、接着面がLL字型になっています。
「M-60R+」は「M-60」を進化させたモデル。
接着面がLL字型になったことで「M-60」より足台の高さを低く設置できるようになりました。
「M-60R+」「M-60」 は、共に高さ調整の範囲は、約13.5~約26cmです。
ただし、ピアノに設置すると最低の高さまで下げることができません。
ピアノに設置した際に「M-60R+」の方が低くすることができます。
補助ペダル(一体型)おすすめ
一体型補助ペダルのおすすめは、次の6つ。
- M−60R +
- AX−100α
- KP-W1
- KP-DXF
- P-33
- AX-T1
特徴を見ていきましょう。
M−60R +
- ペダルが軽く踏みやすい
- 足台を高く上げられる(最高26cm)
ため、身長が110cm前後の小さいお子さまにおすすめ!
- 操作音が少ない
- ペダル押さえがずれにくい
などの特徴もあり、コンクールでも使用が可能ですよ。
AX−100α
「AX−100α」は、
- 踏みやすく、安定している
- 操作音が少ない
などの理由から、コンクールでも使われています。
- 適用身長の目安/約110〜130cm
- 台の横幅/約43,5cm
- 重量/約6、8kg
- ペダル押さえ/L字型
- スラント方式
KP-W1
- リーズナブル
- 踏みやすい
などの理由から、家庭用として定番だった「KP−DX」を改良したモデル。
- 両ハンドルになり、高さ調整が楽に
- 重量が重くなり、安定性が増した
- 台の横幅が広くなった「約35.5cm→約41.5cm」
- より高くできるようになった
ペダル押さえが丸型のため、2本ペダルのピアノにもおすすめですよ。
- 適用身長の目安/約110〜130cm
- 台の横幅/約41.5cm
- 重量/約8kg
- ペダル押さえ/丸型
- スラント方式
KP-DXF
- 日本製
- リーズナブル
で、人気の「KP-DX」をフリーストップ式に改良したモデル。
高さ調整が楽になっただけでなく、
「KP-DX」より
- 重量が重くなり、安定感が増した
- 高さ調整の範囲が若干広がった
という特徴があります。
- 適用身長の目安/約110〜130cm
- 台の横幅/約35.5cm
- 重量/約7.7Kg
P-33
低価格ながら、
- 台の横幅が広く、安定感がある
- 昇降範囲が広い
と、使いやすいのが特徴。
また「ペダル押さえのアーム」が長いため、電子ピアノなど「ペダル位置が低いピアノ」にも使うことができます。
ただし、ペダルの踏み心地が少し重めなので、小さいお子さまは、踏みにくさを感じることがあります。
- 適用身長の目安/約110〜130cm
- 台の横幅/約42cm
- 重量/約8kg
AX-T1
フリーストップ式のため、速く高さ調整ができます。
ペダル押さえが、丸型なので2本ペダルのピアノにもおすすめ!
- 高さ調整/約14.0cm~23.0cm
- 台の横幅/約約37.5cm
- 重量/約7.7Kg
補助ペダルについてよくある質問
補助ペダルについて、よくある質問が次の2つ。
- アシストペダルは専用台じゃなくても使えるのか
- 補助ペダルを購入したいけど、我が家のピアノでも使えるのか心配
1つずつ、解説します。
アシストペダルは専用台じゃなくても使えるのか
と聞かれることがありますが、専用台でなくても問題ありません。
今回、紹介した分離型補助ペダルの中で、
- キッズペダル
- リトルピアニスト
には専用の足台はなく、高さが合えばどのような足台でも使えます。
ただ、一般的なピアノ専用の足台は一番低くしても12〜14cmくらいまでなので、ペダルを低くすると合わなくなってしまいます。
その場合は、他の分離型補助ペダル用の足台を使うこともできますよ。
自宅で練習用に使うだけなら、
- 雑誌を積み重ねてまとめる
- ホームセンターにある板
などを使っている方もいます。
また「アシストペダル」など、専用の足台がある分離型補助ペダルも、他の台で代用することができます。
ただし、専用足台の方が、高さを合わせやすいと思います。
例えば、私の娘は「23MODELアシストセット」を使っていますが、ペダルを一番高くした場合、専用足台も一番高くするとピッタリでした。
補助ペダルを購入したいけど、我が家のピアノでも使えるのか心配
補助ペダルは、画像を見るだけではイメージがしにくく、ちゃんと使えるのか心配になりますよね。
電子ピアノの場合、分離型補助ペダルは使えないモデルもあるため、購入前に問い合わせておくと安心!
次の3つの分離型補助ペダルは、貸出制度があるので、お試しができますよ!
また、次のように「交換保証のあるお店」もありますよ。
購入した商品が、うまく動作しなかったり子供に適応しなかった場合、往復送料を店舗負担で交換(購入前に問い合わせが必要)