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ハノンの練習法 | 必ず効果を上げるための6つのポイント

ハノンの練習法 | 必ず効果を上げるための6つのポイント
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ピアノの先生
ピアノの先生
こんにちは。
私はヤマハ音楽教室で講師をしています。

ハノンピアノ教本は、指のトレーニングの教本として、とてもよく使われていますよね。

ハノンは弾いていておもしろくない…。

という声も聞きますが、効果の大きい教本です。

しかし!

ハノンは、目的をしっかりと理解してから練習しなければ、その効果は半減!

そこで、今回は

  1. ハノンの目的
  2. ハノンの練習法(基本)
  3. ハノンの練習法(応用)

の順番で、ハノンについて解説していきます。

ハノンの目的

ハノンを練習する目的は次の6つ。

  1. 指の独立
  2. 音の粒をそろえる
  3. イメージした音色を出す
  4. 「正しい姿勢」や「手のフォーム」を身につける
  5. 手首を柔らかくする
  6. 鍵盤と鍵盤の距離(間隔)をつかむ

1つずつ、くわしく見ていきましょう。

指の独立

指の独立って、どういうこと?

指の独立とは

どの指も同じように動かせるようになること

です。

3の指や4の指が動きにくい!
5の指でしっかりした音が出ないなぁ…。

ということがなく、

右手、左手のどの指でも同じように動かすことができる

それが指の独立です。

ハノンピアノ教本は、「左右の5本の指」をまんべんなく使った練習ができるため、

  • 弱い指
  • 動きにくい指

をなくし、「どの指も同じように動かすため」のトレーニングができますよ。

音の粒をそろえる

音の粒をそろえるというのは、かんたんに言うと、全ての音を

  • 同じ音量
  • 同じ長さ

で弾くということ。

つまり、ハノンを練習するときに、

  • 強弱
  • 表現

を考える必要はありません!

どの指でも

  • 同じ音量
  • 同じ長さの音

を出せるようにしましょう。

ただし、

  • 音階
  • アルペジオ
  • 第3部〜

は、別です。

それらは、粒をそろえるのではなく、音楽的に弾くように心がけてください。

イメージした音色を出す

上のパートで、どの音も

  • 同じ音量
  • 同じ長さの音

で弾くことが大事だとお伝えしました。

でも、それだけでは、まだ不十分!

大事なのは、どの音も「いい音」で弾くこと。

「いい音」とは、自分が「こんな音で弾きたいな」とイメージする音のこと。

ピアノの先生
ピアノの先生
私は、生徒に「キラキラした音」と、伝えています。

ハノンを練習するときは、次の2つをやってください。

  1. 音色をイメージする
  2. イメージした音が出ているか聴く

そして、

イメージした音を出せる指をつくる

これが「ハノンピアノ教本」の目的のひとつです。

「正しい姿勢」や「手のフォーム」を身につける

自分にとって、むずかしい曲を弾いていると、

  • 身体に力が入ってしまう
  • 「姿勢」や「手のフォーム」がくずれてしまう

こともあると思います。

ハノンは、シンプルだからこそ、

  • 正しい姿勢
  • 手のフォーム

を意識して弾くことができるはず。

ハノンで身につけた弾き方は、そのまま他の曲での弾き方になる

と思って、

  • 姿勢
  • 手のフォーム

を考えて練習しましょう。

手首を柔らかくする

ハノンを弾くときに、

指だけで弾いていて、手首がほとんど動かない

という方を見かけます。

この弾き方では、手を痛めてしまうことがあります。

ピアノを弾くときは、指先が鍵盤を迎えにいくのではありません。

大事なのは

腕や手首の動きによって、「指が鍵盤に対して自然に下りる」ようにすること

ピアノの先生
ピアノの先生
のちほど、弾き方の動画をのせているので、参考にしてくださいね。

鍵盤と鍵盤の距離(間隔)をつかむ

ハノンは、同じ音型の繰り返しなので、

鍵盤を見ずに弾く

ということがやりやすいと思います。

曲を練習しているとき、

鍵盤ばかり見てしまう…。

という方は、ハノンを練習するとき、鍵盤を見ないで弾くようにしましょう。

  • 楽譜を読んで弾く
  • 音をよく聴く

ためにも、鍵盤を見ないで弾くことは大切ですよ。

ハノンの練習法(基本)

ハノンを練習するときに注意したいポイントは次の6つ。

  1. 姿勢を確認する
  2. 手首を柔らかくする
  3. 音の粒をそろえる
  4. 片手ずつから
  5. 速すぎないテンポから
  6. 鍵盤を見ないで弾く

1つずつ、くわしく見ていきましょう。

姿勢を確認する

ハノンで身につけた弾き方は、そのまま他の曲での弾き方になる

と思って、身体に余計な力を入れずに弾くようにしましょう。

姿勢のポイント
  1. 椅子の高さ…肘のかどが白鍵の表面とほぼ同じ高さになるように
  2. 椅子の位置…鍵盤の真ん中あたりに手を置き、肘が上半身より少し前にあるぐらい(肩、腕、首を楽に)
  3. 座り方…上半身の体重が坐骨を通して椅子に伝わるように座る(坐骨→椅子に座ってお尻を前後に揺らし、一番当たる骨)
  4. 手の形…腕を身体の横にぶらんと下げたときの「手や指」が自然にカーブした形のまま鍵盤にのせる

手首を柔らかくする

ピアノを演奏するときは、指先だけが移動するのではありません。

腕や手首の動きによって「指が鍵盤に対して自然に下りる」ようにしましょう。

ピアノの先生
ピアノの先生
手首の動きで、指を助けてあげるのです。

「右手の動き」を具体的に言うと…

「1の指から5の指」に上行するにつれて、手首は少し高くなっていきます。

「5の指→1の指」では、手首の高さが元に戻っていきます。

そのとき、手首は、反時計回りに円を描くように動きます。(左手の場合…時計回り)

動画は、わかりやすいように動きを少し大きくしています。
手首を動かすことが目的ではないので、注意しましょう。

大事なのは、

手首はしなやかに動く

というイメージを持ち、手首を固めないようにすることです。

音の粒をそろえる

ハノンを弾くときには、「強弱」や「音楽の表情」を考える必要はありません。
(音階、アルペジオ、第3部〜をのぞく)

大事なのは、

  • 音の粒をそろえること
  • いい音で弾くこと

そのために必要なのは、

  • 音色をイメージすること
  • 音をよく聴くこと

です。

  • 音の長さ
  • 音の大きさ
  • 音色

がそろっているか、1つ1つの音をよく聴きながら練習しましょう。

片手ずつから

ひとつ前のパートで「音の粒をそろえて弾く」ことが大事だとお伝えしました。

音の粒をそろえるためには、1つ1つの音をよく聴かないといけないですよね。

はじめから両手で弾いてしまうと、得意な方の手にごまかされて、1つ1つの音を聴けないことがあります。

両手で弾いても、右手、左手の1つ1つの音がちゃんと聴ける!

という方は、はじめから両手でもOKですが、そうでなければ、まずは片手ずつから練習してください。

速すぎないテンポから

ハノンをはじめから、速いテンポで弾くのはおすすめできません。

なぜなら、いきなり速く弾いてしまうと

  • 1つ1つの音を聴けない(音の粒がそろっているかがわからない)
  • 姿勢や手のフォームを意識できない

から。

はじめは、姿勢や手のフォームを意識できるぐらい、余裕のあるテンポから、練習しましょう。

鍵盤を見ないで弾く

ハノンの目的の1つは、

鍵盤と鍵盤の距離(間隔)をつかむこと

でした。

そのためにも、慣れてきたら、鍵盤を見ないで弾く練習をしましょう。

楽譜を目で追いながら弾くようにすれば、楽譜を読む力もついていきますよ。

ハノンの練習法(応用)

ハノンは、楽譜通りに弾く以外にも、たくさんの練習法があります。

たとえば…

  1. リズム変奏
  2. アクセント位置を変えていく
  3. ppで両手
  4. 右手f、左手p
  5. 右手スタッカート、左手レガート
  6. (右f、左p)→(右p、左f)を1小節ごと交互に
  7. (右手スタッカート、左手レガート)→(左手レガート、右手スタッカート)を1小節ごと交互に
  8. 移調
  9. 半拍ずらして始める(右3つ目の音から左start)
  10. はじめの音を保持音にする

1つずつ、やり方を見ていきましょう。

リズム変奏

ハノンピアノ教本は、いろいろな出版社から出ていますが、どの教本にも

  • 変奏の例
  • 応用練習

などが、載っています。

それを参考に、リズムを変えて練習しましょう。

  • どの指も同じように動くようにする
  • 指先のコントロールをよくする

ために、リズム変奏は、とても大事な練習です。

アクセント位置を変えていく

  • 全ての音に
  • 表拍のみ
  • 裏拍のみ
  • 特定の指のみ

など、アクセントの位置を変えて練習します。

ppで両手

ppで引くのは、mfぐらいで弾くよりコントロールがむずかしいもの。
ppでも、音の粒をそろえて弾けるようにしましょう。

右手f、左手p

【右手f、左手p】というように、右手と左手の強弱を変えて弾きます。

【右手f、左手p】ができたら、【右手p、左手f】と逆も練習しましょう。

右手スタッカート、左手レガート

【右手スタッカート、左手レガート】というように、右手と左手のアーティキュレーションを変えて弾きます。

【右手スタッカート、左手レガート】ができたら、【右手レガート、左手スタッカート】と逆も練習しましょう。

(右f、左p)→(右p、左f)を1小節ごと交互に

右手と左手の強弱を変えて弾きます。

1小節ごとに、【右f、左p】→【右p、左f】というように交互にして、弾いていきましょう。

(右手スタッカート、左手レガート)→(左手レガート、右手スタッカート)を1小節ごと交互に

右手と左手のアーティキュレーションを変えて弾きます。

1小節ごとに【右手スタッカート、左手レガート】→【左手レガート、右手スタッカート】というように交互にして、弾いていきましょう。

移調

ハノンは、「音階」や「アルペジオ」以外は、ハ長調で書かれています。

ハ長調は、白鍵しか使いません。
黒鍵を使った練習をするために、移調して弾くのも大事な練習です。

半拍ずらして始める(右3つ目の音から左start)

右手と左手を同時に弾き始めるのではなく半拍ずらしてスタートします。

ハノンは、16分音符で書かれているため、右手の3つ目の音と同時に、左手を弾き始めます。

右手と左手がずれますが、どちらの音も聴けるようにしましょう。

はじめの音を保持音にする

保持音を使った練習は、指の独立に効果的!

保持音を使った練習って?
ピアノの先生
ピアノの先生
1本、または何本かの指で鍵盤を押さえたまま、それ以外の指を動かすという練習です。

はじめの音を保持音にして弾いてみましょう!