ピアノの演奏法

発表会で緊張しないために【緊張の予防法】をピアノ講師が伝授

発表会で緊張しないために【緊張の予防法】をピアノ講師が伝授
ピアノの先生
ピアノの先生
こんにちは。
私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
発表会で緊張して間違えたらどうしよう…。

発表会が近づくと、そんな心配も出てきますよね。

でも、大丈夫!

緊張は予防できるんです!

緊張には

  • いい緊張
  • 悪い緊張

があります。

「悪い緊張」は、ドキドキしすぎて、いつもはしないようなミスをしてしまうことも…。

でも、「いい緊張」なら、集中力が高まり、いつも以上に「いい演奏」ができることもあるんですよ。

つまり、適度な緊張は悪いことではない!

そもそも、発表会で

まったく緊張しない!

なんて無理ですよね。

それなら、緊張を受け入れつつ

  • ふだん通りの演奏ができること
  • 演奏に集中できること

を目指しましょう。

ということで、悪い緊張をしないための

緊張の予防法

を次の2つに分けて、お伝えしていきます。

  • 悪い緊張をしないための練習法
  • メンタルをととのえる方法

悪い緊張をしないための練習法

悪い緊張をしないために、発表会までにやっておきたい練習法は次の6つ。

  1. いつも同じテンポで弾けるように
  2. テンポを落として練習
  3. 誰かに聴いてもらう
  4. 本番と同じ「服装」「靴」「髪型」で演奏する
  5. 暗譜を確実にする
  6. 余裕を持って弾けるまで練習

1つずつ、くわしく見ていきましょう。

いつも同じテンポで弾けるように

発表会で緊張すると、心拍が上がります。

すると、

いつもより速いテンポで弾き始めてしまう

ということも多いんです。

テンポが速くなると、いつも弾けているところで指がまわらなくなったりします。

すると、焦りから緊張が大きくなってしまうことも…

いつも同じテンポで弾き始められるように、ふだんの練習でもトレーニングしておきましょう。

具体的な練習法としては…

  1. 弾く前にメトロノームでテンポを確認する
  2. メトロノームを消し、頭の中で曲の始めの部分を再生する
  3. 弾き始める

などがあります。

自分の演奏を録音しておいて、

  • 家事をしながら
  • 通勤中

などに何度も聴いておくのもいいと思います。

発表会当日も「椅子に座るなりいきなり弾き始める」のではなく、頭の中でふだんの演奏をイメージしてから弾きましょう。

テンポを落として練習

1つ上で

いつも同じテンポで弾くための練習法

をお伝えしました。

曲が仕上がってくると、本番のテンポで練習をしますよね。

でも、曲が仕上がってきたときこそ、「ゆっくり練習」も取り入れてほしいんです。

なぜなら、慣れてきて「弾き流している部分」意識することができるから。

練習を重ねていくと、曲のなかで弾きやすい部分って、何も考えなくても弾けるようになっていきませんか?

身体が覚えていて自動的に弾いちゃってるんですよね。

でも、発表会では、そういう部分が

あれ?どうやって弾いてたっけ…?

とわからなくなったりするんです。

テンポを落とすことで、指の動きを意識しながら弾くことができます。

ゆっくり弾きながら、

  • 指の動き
  • 身体の動き
  • 表現

をしっかり脳にインプットしておきましょう。

誰かに聴いてもらう

「一人で弾くふだんの練習」と、「聴いている人がいる発表会での演奏」。

同じように弾けないのは当たり前ですよね。

練習本番とのギャップを少なくするために、誰かに聴いてもらうなどして「緊張を経験」しておきましょう。

聴いてもらう人がいない場合は、「録音する、動画を撮る」とかでもOK!

ピアノの先生
ピアノの先生
撮った動画を誰かに見てもらうのもいいですね。

「おじぎ → 椅子の調整 → 演奏」のように本番と同じ流れでやることが大事!

緊張すると、思わぬところでミスをしたり、指がうまくまわらなかったり…ということがあります。

ピアノの先生
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緊張すると、仕上がりが甘い部分うきぼりになるんです。

うまく弾けなかった部分は、余裕を持って弾けるように練習しておきましょう。

本番と同じ「服装」「靴」「髪型」で演奏する

  • 弾くときに袖が邪魔になる
  • 髪の毛で視界がさえぎられる
  • 靴のせいでペダルがうまく踏めない

そんな状態では、実力が出せません。

  • 服装
  • 髪型

を本番と同じにして弾いてみて、弾きにくくないか確認してくださいね。

1つ前にお伝えした「誰かに聴いてもらう」のときに、本番と同じ「服装」「靴」「髪型」で演奏するのもおすすめ。

なるべく、本番に近い状態を経験しておくといいですよ!

暗譜を確実にする

舞台上で暗譜がとんでしまった!

なんてことは避けたいですよね。

子どもの頃は、特に対策をしなくても「暗譜できてた!」ということもあるかもしれませんが、大人はそうはいきません。

暗譜を確実にする方法は、暗譜を確実にするための練習法(準備中)を見てください。

余裕を持って弾けるまで練習する

悪い緊張をしないための練習法、最後は

余裕を持って弾けるまで練習する

です。

練習法というより、全体的なことですが一番大事なのがこれかもしれません。

緊張を悪化させる一番の原因は、準備不足からくる不安です。

まだ弾けない部分がある。止まっちゃったらどうしよう…。

そんなことを考えていると、緊張はどんどんふくらんでいきます。

  • よく間違える
  • 指がころんでしまう

など不安な部分は、なるべく早くなくしておきましょう。

ピアノの先生
ピアノの先生
「やるべきことはやった」という自信は、緊張をやわらげるのに、とても役に立ちますよ♪

メンタルをととのえる方法

つづいて、「悪い緊張」をしないための

メンタルをととのえる方法

をお伝えします。

方法は次の7つ。

  1. 頭の中でリハーサルをする
  2. ポジティブにとらえる
  3. 身体をほぐす
  4. 心を落ち着かせるための「きっかけ」を持つ
  5. 緊張に対する身体の症状への対策
  6. 表現に集中する
  7. 「今」に集中する

頭の中でリハーサルをする

舞台袖で出番を待っている →
ピアノの前まで進みおじぎをする →
椅子の高さ調整をする →
椅子に座る →
演奏をする →
演奏が終わり舞台袖に戻る

という流れを頭の中で、イメージしましょう。

演奏の場面では、

  • 音(聴覚)
  • 鍵盤(視覚)
  • 鍵盤に触れている感覚(触覚)
  • 指の動き

など、細かくイメージしてください。

実際にピアノを弾かずにイメージするのは、けっこう難しいですが、できるまで何度も繰り返します。

すると本番の日、

初めてじゃない!

脳に思わせることができるんです。

これをやるときは、気持ちが前向きになっているときがおすすめ。

なぜなら、落ち込んでる精神状態では、前向きなイメージができないからです。

ポジティブにとらえる

失敗したらどうしよう…。

出番が近づくと、つい不安な気持ちが出てきますよね。

でも、マイナスなことを考えると、緊張はもっと大きくなります。

ミスしたらどうしよう

ではなく、

この曲のこの部分が好き!聴いてもらいたい!届けたい!

という気持ちを持ちましょう。

また、ドキドキしてきたら

演奏に集中するために身体が準備をしてるんだ。

と、とらえましょう。

ピアノの先生
ピアノの先生
実際、ドキドキしたり、手が冷たくなったりという症状は、いい集中力を発揮するために、身体が準備しているサインなんですよ。

身体をほぐす

緊張すると、肩や腕に力が入り、身体が固くなってしまうことがあります。

  • 肩をまわす
  • 腕や手のマッサージをする
  • 軽くストレッチをする
  • 深呼吸をする

など、本番前に、身体をほぐしておきましょう。

心を落ち着かせるための「きっかけ」を持つ

子供のころ、手のひらに「人」という字を3回書いて飲み込むというおまじないをしたことがありませんか?

ピアノの先生
ピアノの先生
私は、よくそのおまじないをしていて、やると不思議と心が落ち着いたんです。

スポーツ選手なら

スパイクは必ず右足から履く

とか、

芸人さんなら

収録のときは、赤いパンツをはく

など、自分なりの「おまじない」や「ゲン担ぎ」をやってる方も多いと思います。

「これをやっておけば大丈夫!」という自分なりのおまじないを持っておくと、それが心を落ち着かせるきっかけになりますよ。

緊張に対する身体の症状への対策

私は、緊張すると手が冷たくなってしまいます。
だから、演奏をするときは、ホッカイロを持って行っています。

緊張すると、手が汗ばむという方もいると思います。
そういった方は、ハンカチを持っていくといいですよ。

ハンカチは舞台上に持っていってOK!
弾く前に、鍵盤や手をさっとふいて、写真の部分に置いておくと客席からも見えません。

ハンカチ
ピアノの先生
ピアノの先生
緊張したときに出る症状への対策を考えておくと安心ですよね。

表現に集中する

間違えないで弾かなきゃ。

と思っていると緊張が大きくなります。

少しくらいミスがあっても音楽が流れていれば、気にならないものです。

発表会では、「間違えないで弾くこと」ではなく、「表現に集中」しましょう。

  • ピアノから出てくる音色をよく聴く
  • 聴いている人に、音色、表現を伝えようという気持ちで弾く

ことに意識を向けてください。

ピアノの先生
ピアノの先生
「音色や表現」に集中する方が、「間違えないで弾こう」と思うより、心が落ち着きますよ。

「今」に集中する

発表会で演奏しながら、

もうすぐで難しいところがくる!弾けるかな?

なんて構えていると、だいたい弾けないものです(*_*)

また、

さっきのところ、間違えちゃった…。

などミスを引きずっているとと、その後もミスしやすくなります。

先のことを心配したり、ミスを引きずったりしないで、「今」ピアノから出てくる音に集中しましょう。

まとめ

緊張の予防法を、

  • 悪い緊張をしないための練習法
  • メンタルをととのえる方法

にわけてお伝えしてきました。

あらかじめ緊張を予防しておくと、過度な緊張をしなくてすみます。

適度な緊張は集中力が高まり、いい演奏ができることも多いですよ。

せっかくの発表会、「出てよかった!」と思える発表会になりますように。