私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
そんな疑問に、ヤマハ講師がお答えします。
- 「CA401」の特徴
- 「CA401」をヤマハ講師が弾いてみた感想
- 前モデル「CA49」との違い
CA401の特徴
「CA401」の特徴は、次の8つ!
- 質の高い木製鍵盤
- グランドピアノに近いタッチ感
- SK-EXの音色
- 練習をサポートするレッスン曲
- コンサートマジック
- Bluetoothオーディオ機能
- アプリ「Piano Remote」
- 無料で楽譜が見れる「PiaBookPlayer」
ひとつずつ、見ていきましょう。
質の高い木製鍵盤
「カワイの木製鍵盤」と「他メーカーの木製鍵盤」との大きな違いが、鍵盤の構造。
グランドピアノと同じように
鍵盤の上側にハンマーがあるシーソー式構造
になっている木製鍵盤は、カワイだけなんです。(※1)
さらに、カワイの木製鍵盤は、88鍵すべてが木製!
この特徴も、カワイだけなんですよ。(※1)
- ハイブリッドピアノを除く
- 「カワイ」「ヤマハ」「ローランド」3メーカーの木製鍵盤を比較
グランドピアノに近いタッチ感
電子ピアノの鍵盤タッチは「重い」「軽い」と表現されることも多いですよね。
でも、大事なのは「重さ」だけではありません。
なぜなら、グランドピアノはタッチによって「手応え」が変わるから。
カワイの木製鍵盤は、
- 強いタッチ → 低音域は重く、高音域は軽い
- 弱いタッチ → すべての鍵盤が一定の手応え
というグランドピアノの特徴を再現しています。
また、
- 鍵盤の戻りが速い
- 鍵盤を戻しきらなくても次の音が出せる
ため、速い同音連打やトリルもとても弾きやすいんです。
さらに、レガート演奏もグランドピアノと同じ感覚で弾くことができるのが「CA401」の特徴!
レガート演奏においては「離鍵」もポイントになります。
「CA401」には
鍵盤を戻し始めてから音が止まるまでのタイミングがグランドピアノと同様
という特徴があるため、グランドピアノのような繊細なレガート演奏ができますよ。
「CA401」の鍵盤は、演奏中のあらゆる場面で、グランドピアノにとても近い感覚で弾くことができるんです。
SK-EXの音色
「CA401」には「SK-EX」のピアノ音が入っています。
「SK-EX」は、さまざまな国際コンクールで使用されるカワイのフルコンサートピアノ。
電子ピアノは、メーカーによって音色がかなり違うので迷いますよね。
「好きな音色」で選ぶのも一つですが、大事なのは「音色が豊かに変化するか」ということ。
グランドピアノのように、タッチを変えれば音色が豊かに変化する
そんな電子ピアノでなければ、演奏表現力を育てることができないからです。
CA401で使われている「PHI音源」では「SK-EX」のピアノ音をタッチの強弱ごとに1音1音ていねいにサンプリングしています。
そのため、幅広い強弱の表現が可能!
また、強弱の変化がスムーズでリアルなのも「CA401」の特徴です。
電子ピアノの中には、タッチの強さを少し変えただけでは音量が変化せず、
- 少しずつ大きく
- 少しずつ小さく
ということが、できないものもあるんです。
なぜ、それができないかというと
- 幅広い強弱がサンプリングされていない
- 鍵盤にあるセンサーがタッチの微妙な違いを感知できない
から。
「CA401」であれば、
- 強弱ごとにていねいにサンプリングされた音源を搭載
- 鍵盤センサーの性能がいい
ため、ピアニッシモからフォルテッシモまで繊細でスムーズな強弱表現ができますよ。
「SK-EX」のほか「EX」の音色も入っています。
どちらも国際ピアノコンクールで活躍するカワイのフルコンサートグランドピアノです。
練習をサポートするレッスン曲
「CA401」には
- バイエル
- ブルグミュラー25
- ツェルニー30
- ショパンワルツ集
など、ピアノ教室でよく使われる「レッスン曲」が内蔵されています。
「レッスン曲」は、
- 右手、左手どちらかのみ再生
- 曲の一部分だけを繰り返し再生
- テンポ変更
などの「レッスン機能」を使うこともできるので、ピアノ教室へ通う方にも嬉しいですよね。
「CA401」の内蔵曲269曲のうち、200曲が「レッスン曲」に該当します。
コンサートマジック
コンサートマジックは、指一本で、内蔵曲を演奏できる機能です。
- アンパンマンのマーチ
- 崖の上のポニョ
など、子供たちが大好きなアニメ・映画曲のほか、
- クラシック
- 日本のうた
など、50曲が入っています。
我が家にあるカワイの電子ピアノにも「コンサートマジック」の機能があるんですが、子供たちが大喜びで使っています。
この機能があるおかげで、自分からピアノを弾き始めることも多く、その流れでピアノの練習に誘うこともあります。
「CA401」の内蔵曲269曲のうち、50曲が「コンサートマジック曲」に該当します。
Bluetooth機能
「CA401」は「スマホ/タブレット」とBluetooth接続することができます。
アプリを使うときも、かんたんに「CA401」とスマホを接続し、すぐに操作することができますよ。
また「CA 401」には、Bluetoothオーディオ機能もついています。
そのため、
「スマホ/タブレット」内の曲を「CA401」のスピーカーから再生すること
が可能!
「CA401」には、高性能なスピーカーが4つ搭載されています。
- 好きなアーティストの曲を流しながら、一緒に演奏
- YouTubeのレッスン動画を再生しながら練習
などの楽しみ方もできますよね。
アプリ「Piano Remote」
無料アプリ「Piano Remote」を使えば、スマホから「CA401」の操作ができるようになります。
文字やアイコンがわかりやすく、説明書を読まなくても、感覚的に操作することができますよ。
無料で楽譜が見れる「PiaBookPlayer」
「PiaBookPlayer」は「CA401」に内蔵されているレッスン曲の楽譜を見ることができるアプリです。
紙の楽譜だと、両手で演奏しながらページをめくるのは大変ですよね。
「PiaBookPlayer」は、ペダルで譜めくりをすることができますよ。
また、曲の一部分だけを繰り返すこともできるので、練習にもとても便利!
「CA401」と「CA49」違い
「CA401」は、23年6月発売の新モデル。
そのひとつ前のモデルが「CA49」です。
「CA49」は、楽器店大賞2021で大賞にも選ばれた大人気モデル!
全国の楽器店員さんが選ぶ、今年いちばんおすすめしたい楽器を決める賞
楽器のことを知りつくした楽器店員さんに選ばれた「CA49」をさらに進化させたのが「CA401」なんです。
と気になる方もいますよね。
「CA401」と「CA49」の主な違いは、次の4つ!
- 音源
- Bluetoothオーディオ機能
- ヘッドフォン
- 譜面ストッパー
1つずつ、見ていきましょう。
音源
「CA401」と「CA49」は音源が違います。
「CA401」には、カワイの最高峰のフルコンサートピアノ「SK-EX」の音色を新たにサンプリングした音源を搭載!
下の動画で、ピアニストの宮野恭輔さんが演奏されています。
電子ピアノだとは思えないほど、音色がとても豊かですよ。
Bluetoothオーディオ機能
「CA401」には、Bluetoothオーディオ機能が搭載されました。
これにより、「スマホ/タブレット」内の曲を「CA401」のスピーカーから再生することが可能になりました。
- YouTubeのレッスン動画を再生しながら練習する
- 好きなアーティストの曲に合わせて弾く
- オーケストラの演奏を流しながらピアノパートを弾く
など、いろいろな楽しみ方ができますよ。
ヘッドホン
「CA401」には「SH-3B」というヘッドホンが付属しています。
「SH-3B」は、今まで「CA901」「CA701」などのハイグレード機種にだけ付属していたヘッドホンです。
「SH-3B」は、電子ピアノ専用に開発されたヘッドホン。
長時間の練習でも、疲れにくく耳にやさしいヘッドホンです。
また「スペイシャル・ヘッドホン・サウンド」を搭載しているため、ヘッドホンでもグランドピアノのような立体感、臨場感のある音を楽しめますよ。
(「スペイシャル・ヘッドホン・サウンド」は「CA49」にも搭載されています。)
「スペイシャル・ヘッドホン・サウンド」とは
グランドピアノのような立体感/臨場感のある音をヘッドホンで再現する機能
次の3つのモードの選択が可能
- 全方向にバランスのとれた「ノーマル」
- 左右の広がりを強調した「ワイド」
- 前方への定位を強調した「フォワード」
譜面ストッパー
「CA401」には、譜面ストッパーがついています。
ピアノの曲集は厚みがあることも多く、弾いている途中でページがめくれてしまうこともあります。
使わないときは収納できるため、見た目もすっきりしますよ。
ピアノ講師が「CA401」を弾いた感想
「CA401」を弾いてみて、まず感じたのが「鍵盤の質の高さ」です。
他メーカーの同価格帯モデルと弾き比べたときに、はっきりと違いがわかるほど「CA401」に搭載されている鍵盤は、グランドピアノのタッチに近いと感じました。
- 鍵盤の動きが安定している
- 戻りが速い
ため、コントロールがしやすく「速いトリル」や「連打」もとても弾きやすかったです。
特に「鍵盤から指を離した瞬間に、次の打鍵ができる」連打性の高さは、グランドピアノと変わらないと思います。
もう一つ感じたのが「強いタッチ」もグランドピアノと同じようにできるということです。
電子ピアノの中には、強いタッチで弾くと
- 鍵盤が軽く感じる
- すぐに鍵盤の底にカツンと当たってしまう感覚がある
ものもあります。
普段グランドピアノを弾いている人が、電子ピアノを弾いたときに感じることが多いのが
電子ピアノでグランドピアノと同じ弾き方をすると、指が痛くなる
ということなんですが、このように感じる原因は鍵盤にあると思います。
でも「CA401」の鍵盤は、強いタッチでもグランドピアノに近い重さがあり、底にカツンと当たるような感覚もありませんでした。
そのため「重さをのせた強いタッチ」でも、グランドピアノと同じ弾き方ができました。
また、
レガートもグランドピアノと同じ感覚で弾ける
のも、とても嬉しい特徴でした。
音をなめらかにつなげるためには「鍵盤からどのように指を離すか」ということが大事!
音をよく聴きながら
- 離鍵のタイミング
- 離鍵のスピード(鍵盤が元の位置へ戻る速さ)
をコントロールする必要があるんです。
「CA401」は、
鍵盤を戻し始めてから音が止まるまでのタイミング
がグランドピアノと同様になっています。
そのため、レガート演奏もグランドピアノと同じ感覚で弾くことができますよ。
このように「CA401」は、あらゆるタッチがグランドピアノに近いのが大きな特徴です。
ピアノ演奏において大事なのは、豊かな音色表現ができること。
そのためには、
タッチを使い分け、鍵盤の動きをコントロールする力
を育てなければいけません。
「CA401」であれば、その力を育てるための練習ができると感じました。
まとめ
私は、何年も前からいろいろなメーカーの電子ピアノを弾いています。
その中でずっと変わらない感想が「カワイの鍵盤は、グランドピアノのタッチ感にとても近い」ということ。
「CA401」の鍵盤も、演奏中のあらゆる場面でタッチがグランドピアノに近いため、
タッチを使い分け、鍵盤の動きをコントロールする力
を育て、演奏表現力を身につけていくことができる電子ピアノだと感じました。
楽器店対象を受賞した「CA49」と鍵盤は変わりませんが、
- 音源が新しくなった
- Bluetoothオーディオ機能が搭載された
など、「音色」がさらに良くなり、機能も充実しています。
「CA401」以外のカワイの電子ピアノについては、カワイ電子ピアノのおすすめ6選 | 選び方やヤマハとの違いを解説!に書いています。
「カワイCA401」「ヤマハCLP-745」「ローランドHP704」で迷っている方は、カワイCA401/ヤマハCLP-745/ローランドHP704をピアノ講師が徹底比較をどうぞ。