私はヤマハ音楽教室で講師をしています。
大人になってからピアノを始める方の中には、「指が思うように動かない!」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
ピアノをやっていると「指が動かない!」と悩むのは当然のこと。
世界で活躍するピアニストだって、毎日何時間も指のトレーニングをしています。
そんなふうにお悩みの方は、指を動きやすくするために作られた基礎練習曲集を、日々の練習に取り入れてみてください。
それでは、ピアノ初心者でもすぐに弾ける基礎練習曲集を2冊、ご紹介しますね。
Contents
指が動かないピアノ初心者でもすぐに弾ける基礎練習曲集①
ピアノを始めたばかりの方でも、すぐに弾ける基礎練習曲集、1冊目は、「バーナム・ピアノテクニック」です。
「バーナム・ピアノテクニック」の特徴
「バーナム・ピアノテクニック」は、独学でピアノを学ぶ大人の方にも、ピアノ教室へ通う子供にも人気のよく使われている基礎練習曲集です。
- 全部で6巻あるので、自分に合ったレベルから始められる
- 楽譜を読むのが苦手な方でも読みやすい
- 1曲1曲が短い
- 曲ごとに棒人形のイラストがあって、曲のイメージがしやすい
1つずつ、詳しくお話しますね。
①全部で6巻あるので、自分に合った レベルから始められる |
「バーナム・ピアノテクニック」は、全部で6巻あります。
やさしい順に
ミニブック
↓
導入書
↓
1巻
↓
2巻
↓
3巻
↓
4巻
自分に合ったレベルの巻から、始められますよ。
②楽譜を読むのが苦手な方でも読みやすい |
「バーナム・ピアノテクニック」ミニブックのはじめのページは、ト音記号の「ドレミ」とヘ音記号の「ドシラ」の音しか出てきません。
そこから少しずつ、音の数が増えていくので、「楽譜を読むのが苦手」という方にも優しい練習曲集です。
音符も、はじめは4分音符しか出てこないで、リズムに迷うこともありません。
ミニブックの最後の方で、8分音符が出てきて、導入書〜1巻にかけて、少しずつ音符の種類が増えていくので、音符の長さを理解しながら、楽譜を読む力もつけていけますよ♪
「バーナムピアノテクニック 」 ミニブック〜1巻で、出てくる音符 |
||
ミニブック | 4分音符が中心、最後の方で8分音符 | |
導入書 | 4分音符、8分音符、3連符 | |
1巻 | 4分音符、8分音符、3連符、16分音符 |
③1曲1曲が短い |
「バーナム・ピアノテクニック」は、ほとんどの曲が、4小節〜8小節ほどの短い曲です。
指の基礎練習は、なるべく毎回の練習でやる方がいいんですが、1曲が長いと、それだけで時間をとってしまいますよね。
1曲が短いのは、忙しい大人の方にとっても嬉しいポイントなんです。
④曲ごとに棒人形のイラストがあって、 曲のイメージがしやすい |
曲ごとに、棒人形のイラストがあるんです。
例えば、
1巻に「つま先でかけ足」というタイトルの曲があって、つま先でかけ足をしている棒人形のイラストが描かれています。
つま先でかけ足している様子をイメージしてみてください。
「軽くて速い」感じがしませんか?
タイトルと棒人形は、
「曲をどんなふうに弾いたらいいか、どんなふうに表現したらいいか」
のヒントになっているんです。
どこから始める?「バーナム・ピアノテクニック」ミニブック〜4巻
「バーナム・ピアノテクニック」は、やさしい順に
ミニブック
↓
導入書
↓
1巻
↓
2巻
↓
3巻
↓
4巻
私のおすすめは、
- 両手で弾くのがまだ難しい方 → ミニブック
- カンタンな曲なら両手で弾ける方 → 導入書
です。
その理由をお伝えしますね。
「ミニブック」は、右手と左手が、交互に出てくる曲から始まります。
両手の曲も、はじめは、右手と左手が同じ動きをするので、
「まだ両手で弾くのは難しい!」という方でも、
弾きやすい内容になっているんです。
バーナムピアノテクニック ミニブック
次に「導入書」です。
導入書は、
- 和音
- 3連符
- 装飾音符
など曲の中でよく出てくる要素を、効率よく練習できます♪
左手の小指や薬指って、動きにくいですよね?
「導入書」は、右手だけでなく、左手もしっかり動くので、
「がんばって練習したなぁ…」っいう達成感もあると思いますよ(^^)
バーナムピアノテクニック 導入書
指が動かないピアノ初心者でもすぐに弾ける基礎練習曲集②
ピアノ初心者でもすぐに弾けるおすすめの基礎練習曲集の2冊目は、
「ピアノの基本 テクニックマスター」です。
「ピアノの基本 テクニックマスター」の特徴
「指が思うように動かない」という方には、指の形がくずれてしまっている方も多いんです。
指を動きやすくするために、「指の形」は、とても大切。
「ピアノの基本 テクニックマスター」は、「指の形をよくする」ことを考えて作られた基礎練習曲集です♪
- 右手と左手が同じ音なので楽譜を読むのが楽
- 右手と同じように左手が動きやすくなる
- 1曲で、いろいろなリズムパターンの練習ができる
- 楽譜を読む練習ができる
1つずつ、詳しくお話しますね。
①右手と左手が同じ音なので 楽譜を読むのが楽 |
「ピアノの基本 テクニックマスター」の曲は、右手と左手がオクターブ違いの同じ音で、できています。(ユニゾンといいます)
②右手と同じように左手が動きやすくなる |
多くの方は、右手の指より、左手の指の方が動きにくいと思います。
「ピアノの基本 テクニックマスター」の曲は、右手と左手が、オクターブ違いの同じ音です。
③1曲で、いろいろなリズムパターンの 練習ができる |
どの曲も、音はそのままで、リズムを変えて練習できるようになっています。
リズムは、
- 8分音符
- 付点音符
- スタッカート
- スラー
など、バリエーションもいろいろ♪
1曲、楽譜を読めば、いろいろなパターンの練習ができるので、嬉しいですよね。
④楽譜を読む練習ができる |
「ピアノの基本 テクニックマスター1」の21曲目までは、「ドレミファソ」に指を置いたまま、ポジションを変えなくても弾くことができるんです。
手のポジションを変えなくていいので、鍵盤を確認しなくても、楽譜を見たまま弾けると思います。
鍵盤ではなく、楽譜を見ながら弾くことで「楽譜を読む力」もついていきますよ♪
どこから始める?「ピアノの基本 テクニックマスター」1巻〜4巻
「ピアノの基本 テクニックマスター」は、
1巻〜5巻まであります。
私のおすすめは、
- 楽譜を見ながら弾くのが難しい方 → 1巻
- カンタンな曲なら楽譜を見ながら弾ける方 → 2巻
理由をお伝えしますね。
1巻は、手のポジション移動がほとんどないので、鍵盤を確認しなくても、楽譜を見ながら弾きやすいんです。
音域も、1巻は21曲目まで「ドレミファソ」しか出てきません。
その後も、「ソラシドレ」までしか出てこないので、楽譜が読みやすいです。
「曲を弾いているとどうしても鍵盤を見てしまって楽譜を見れない」
という方は、1巻から始めるのが、おすすめですよ♪
2巻になると、1巻より音域が広がり、
- 指を広げたり
- 指を縮めたり
する練習をします。
2巻は、楽譜から目を離してしまうと、
「あれ?どこを弾いてたんだっけ?」
となってしまうので、楽譜を見ながら弾ける方におすすめです。
次の2つに注意して練習してください。
- 指の形
- 1つ1つの音のつぶをそろえる
メトロノームを使って練習するのもおすすめですよ♪
指が動かないピアノ初心者のための基礎練習曲集「バーナムピアノテクニック 」と「ピアノの基本 テクニックマスター」は、どちらがおすすめ?
「バーナム・ピアノテクニック 」と「ピアノの基本 テクニックマスター
」
どちらが楽しく練習できるかというと、
「バーナムピアノテクニック 」は、1曲1曲が短いので、取り組みやすいんです。
「ピアノの基本 テクニックマスター」は、「バーナムピアノテクニック 」に比べると、1曲が長めです。
また、
同じような感じの曲が続くので、練習には根気がいるかもしれません。
「ピアノの基本 テクニックマスター」が、おすすめなのは、
- 弾いていると指がのびてしまう
- 手首が下がってしまう
など、「指の形をよくしたい!」という方です。
まとめ
ピアノ初心者の方でも、すぐに弾ける基礎練習曲集を2冊、ご紹介しました。
思うように指が動かないと、弾けない部分ばかり練習してしまいがいですが、基礎練習曲集を取り入れた方が、指が動きやすくなりますよ(^^)
今回、ご紹介した2冊の基礎練習曲集は、楽譜も読みやすく、すぐに弾ける内容になっているので、日々の練習に取り入れてみてはいかがですか?
人気記事 【大人のピアノ教室の選び方】ピアノ講師が教える7つのチェックポイント
人気記事 その練習方法間違っていませんか?楽譜が読めない方におすすめのピアノ練習法とは?