私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
そんな疑問に、
- 買うならどのモデル?カワイ電子ピアノの選び方
- カワイ電子ピアノ【シリーズによる違い】
- ヤマハとの違いは?
の順番で、お答えします。
買うならどのモデル?カワイ電子ピアノの選び方
あなたに合ったモデルを見つけるために、カワイの電子ピアノを選ぶときは、次の3つのポイントをチェックしましょう!
- 鍵盤タッチ
- 音色の豊かさ
- Bluetoothオーディオ
- 子供のための電子ピアノを選ぶ
- ピアノ教室へ通う予定
の方は、①②は、必ずチェックしてくださいね!
その理由と共に、ひとつずつ解説していきます。
鍵盤タッチ
- 子供のための電子ピアノを選ぶ
- ピアノ教室へ通っている大人
そんな方に、とても大事なポイントになるのが、鍵盤タッチ。
なぜなら、「ピアノ教室で使うグランドピアノ」と、「練習に使う電子ピアノ」の鍵盤タッチにギャップがあれば、
となってしまうから。
カワイの電子ピアノの鍵盤には、次の4種類があります。(ハイブリッドピアノは除く)
それでは、ひとつずつ、くわしく見ていきましょう!
レスポンシブ・ハンマー・アクション・スタンダード
ポータブルタイプの「ES120」に搭載されている鍵盤です。
コンパクト&軽量ながら、グランドピアノに近い鍵盤タッチが再現されているのは、アコースティックピアノメーカーである「カワイ」ならでは!
レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ
ひとつ上でお伝えした「レスポンシブ・ハンマー・アクション・スタンダード」に
- 鍵盤ウェイト
- レットオフ・フィール
が搭載され、さらに、グランドピアノの鍵盤タッチに近づいています。
- 鍵盤ウェイト…鍵盤内部のおもり。これにより、コントロールがしやすい。
- レットオフ・フィール…グランドピアノの「弱いタッチで弾いた時に感じるクリック感」を再現したもの。
樹脂鍵盤は、一般的に、軽いタッチのものが多いですが、「レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ」は、自然な重みがあります。
グランド・フィール・スタンダード・アクション
カワイは、
グランドピアノに近い鍵盤タッチを持つモデルを選ぶことがピアノ上達の早道になる
という考えのもと、鍵盤にこだわって、電子ピアノを製造しています。
「グランド・フィール・スタンダード・アクション」は、
- グランドピアノと同じ、シーソー式の構造
- 長い支点距離
- 88鍵すべて木製
など、カワイの「こだわり」がつまった木製鍵盤。
グランドピアノのタッチにとても近く、ピアノ教室へ通う方にもおすすめですよ。
グランド・フィール・アクションⅢ
ひとつ上でお伝えした「グランド・フィール・スタンダード・アクション」との違いは、
- 支点距離までの長さ
- ハンマークッション
です。
「グランド・フィール・アクションⅢ」は、さらに支点距離までが長いため、グランドピアノのタッチ感に、より近づいています。
また、ハンマークッションにより、
- 鍵盤の戻りが速い
- 指に吸いつくグランドピアノのようなタッチ感
という特徴があり、ピアノ上級者でも、満足できる鍵盤タッチですよ。
音色の豊かさ
電子ピアノを選ぶときに大事なのは「鍵盤タッチ」だけではありません。
「音色の豊かさ」つまり、「どれだけ音色が変化するか」も大事。
なぜなら、演奏表現力は、「変化する音色を弾き分けること」で育つから。
音色の豊かさを決めるのは、
- 音源
- モデリング
- スピーカー数
です。
1つずつ、見ていきましょう。
音源
カワイ電子ピアノの音源には、次の4つの音源があります。
- HI音源
- PHI音源
- HI–XL音源
- SK–EX音源
どの音源も、カワイのコンサートグランドピアノ「SK–EX」の88鍵すべてをタッチの強弱にわけて、ていねいにサンプリング。
さらに、「④SK–EX音源」は、
- マルチサンプリング…さまざまなマイク位置でピアノ音をサンプリング
- 88鍵共鳴モデリング…複雑に変化するグランドピアノの共鳴を再現
により、鍵盤から指を離したあとの「音の余韻」まで、とてもリアル!
モデリング
グランドピアノの複雑に変化する共鳴を再現する技術が、「モデリング」です。
カワイには、「アコースティックレンダリング」というモデリング技術があります。
それを採用しているモデルは、さらに音色が豊かで、響きもリアルになっていますよ!
アコースティックレンダリング搭載のモデル
「CA901」「CA701」「CA59」「CN301」「ES920」
スピーカー数
「音色」「響き」に大きく関係するのが、スピーカー数。
なぜなら、スピーカー数が多ければ、
- 前方
- 上方向
- 下方向
など、音が広がる方向を変えることができ、立体的に聴こえるから。
「グランドピアノに近い響き」を求める方は、スピーカーが4つ以上のモデルがおすすめ!
そのため、包み込まれるような豊かな響きになっていますよ。
Bluetoothオーディオ
カワイの電子ピアノには、「Bluetoothオーディオ機能」がついています。
- スマホ
- タブレット
と電子ピアノをBluetooth接続できる機能のことです。
- スマホ内の曲を電子ピアノの高品質なスピーカーで聴く
- 好きな曲を再生しながら、一緒に演奏する
- YouTubeのレッスン動画を流しながら練習する
など、いろいろな楽しみ方ができますよ!
カワイの電子ピアノの全てにBluetoothオーディオ機能がついています
カワイ電子ピアノ【シリーズによる違い】
カワイの電子ピアノには、次の3つのシリーズがあります。
- ES(ポータブルタイプ)
- CN(樹脂鍵盤)
- CA(木製鍵盤)
ひとつずつ、くわしく見ていきましょう。
ES
「ESシリーズ」は、ポータブルタイプの電子ピアノ。
「ESシリーズ」には、次の2つのモデルがあります。
- ES120…低価格ながら、カワイの技術がつまった本格的な演奏ができるモデル
- ES920…「自動伴奏機能」「イコライザー」などがついた多機能モデル
CN
樹脂鍵盤を搭載したモデル。
「CNシリーズ」には、次の2つのモデルがあります。
- CN201
- CN301
2つのモデルに搭載されている鍵盤は、同じですが、「CN301」の方が、
- モデリング技術を採用(アコースティックレンダリング)
- スピーカー数が多い
ため、音色が豊かですよ!
CA
「CAシリーズ」は、木製鍵盤を搭載しています。
- 音の表現力
- 音の広がり
などに、大きく影響するスピーカー数も4つ以上!
カワイの上級シリーズです。
「CAシリーズ」には、次の4つのモデルがあります。
- CA401
- CA501
- CA701
- CA901
「CA401」「CA501」には、「グランド・フィール・スタンダード・アクション」が、
「CA701」「CA901」には、「グランド・フィール・アクションⅢ」が搭載されています。
カワイとヤマハの電子ピアノの違い
よく聞かれる質問ですが、主な違いは、次の2つ!
- 音源
- 鍵盤
1つずつ、見ていきましょう。
音源
電子ピアノの「音」は、グランドピアノの音をサンプリング(デジタル録音)して作られています。
それを「音源」といいます。
「カワイ」と「ヤマハ」の電子ピアノは、音源の元となるグランドピアノが違います。
- カワイ…カワイのコンサートグランド「SK–EX」
- ヤマハ…ヤマハの「CFX」、ベーゼンドルファー「インペリアル」
ともに、たくさんの国際ピアノコンクールで実績のある、フルコンサートピアノです。
- カワイの「SK-EX」…反田さんとともに2位に選ばれたピアニストが使用。6位のピアニストも使用
- ヤマハの「CFX」…最初の段階で、2番目に多い9名が使用
元となるグランドピアノが違うと、音色もかなり違いますよ。
実際に弾いてみて、
と思える音色を選ぶといいと思います。
鍵盤
電子ピアノの鍵盤には、「樹脂鍵盤」や「木製鍵盤」がありますが、メーカーによって、構造は違います。
ヤマハとカワイの「木製鍵盤」について、比べてみましょう。
鍵盤構造 | 素材 | |
カワイ | シーソー式 | 88鍵すべて木製 |
ヤマハ | 内部公開していない | 白鍵のみ木製 |
私が、「カワイ」と「ヤマハ」の木製鍵盤を弾き比べたところ、タッチ感がグランドピアノに近いと思ったのは、「カワイ」でした。
- 打鍵時の指の感覚
- 鍵盤の戻るスピード
が、グランドピアノに近いため、コントロールがしやすく、1曲を通して弾いたときにも違和感がありませんでした。
カワイ電子ピアノのおすすめ6選
それでは、カワイのおすすめ電子ピアノを見ていきましょう。
おすすめは、次の6つのモデル!
- ES120
- CN201
- CA401
- CA501
- CA701
- CA901
1つずつ、くわしくお伝えしますね。
ES120
上品で大人っぽいデザインが魅力の卓上タイプのモデルです。
本体上部に、まっすぐ伸びた一本の光沢のあるライン。
このデザインが、美しくて高級感がありますよね。
カラーは、
- ブラック
- ホワイト
- ライトグレー
の3色!
コンパクトな卓上モデルでありながら、「鍵盤タッチ」や「音」がグランドピアノに近くリアルなのは、アコースティックピアノメーカーであるカワイならでは。
私も弾いてみたのですが、鍵盤のコントロールのしやすさに驚きました!
連打やトリルがある曲でも生ピアノとのギャップを感じることなく弾けますよ。
また、
- Bluetoothオーディオ機能
- 無料アプリ
など、音楽を楽しめる機能が充実しているのも嬉しいですよね。
「軽量&スマート」で「ミキサーやPAに直接接続可能な、L/R独立した出力端子を装備」しているため、ライブなど、自宅以外で演奏する方にもおすすめですよ。
カワイ「ES120」について、もっと知りたい方は、ES120をヤマハ講師が弾いた感想 | 鍵盤タッチや機能を徹底レビュー!をどうぞ。
CN201
予算10万円程度で、電子ピアノを探しているなら、一番のおすすめが、「CN201」です。
なぜなら、他メーカーの10万円台の電子ピアノと比べて、グランドピアノのタッチとのギャップが少ないから。
また、嬉しいのが、打鍵音を抑制してくれるところ!
電子ピアノって、音量調節ができたり、ヘッドホンで演奏できたりするのが魅力ですが、意外と気になるのが打鍵音なんです。
夜間だと、「カタカタうるさい!」と家族からクレームがあるとの話もよく聞きます。
CA401
カワイの木製鍵盤モデルの中では、いちばん低価格のスタンダードモデル。
ピアノ教室へ通う方にも、とても人気のあるモデルです。
人気の理由は、木製鍵盤の質の高さ。
カワイ以外のメーカーにも「木製鍵盤」の電子ピアノがありますが、
- 白鍵のみ木製
- 木材と樹脂と組み合わせている
などの鍵盤もあります。
一方、カワイの木製鍵盤は「白鍵」「黒鍵」すべてが木製。
さらに、グランドピアノと同様のシーソー式構造になっているため、グランドピアノの鍵盤タッチにとても近いんです。
また、高精度な鍵盤センサーが搭載されているため、
- 連打性にすぐれている
- 繊細なレガート演奏が可能
- タッチによって音色が細かく変化する
という特徴もあり、上級レベルになっても、グランドピアノとのギャップを感じません。
「CA401」は、23年6月に発売されましたが、前モデル「CA49」に比べると、次のようにたくさんの改良がされています。
- 最新のフルコンサートピアノ「SKーEX」を新たにサンプリングした音色を搭載
- スピーカーシステムの見直し
- Bluetoothオーディオ搭載
- ペダル位置、譜面台、操作パネルの改良
CA501
ひとつ上でお伝えした「CA401」と同じ鍵盤が搭載されたモデルです。
違いのひとつが、音色。
上位機種「CA701」「CA901」と同じ
- HIーXL音源
- アコースティックレンダリング(モデリング技術)
を搭載しているため、よりグランドピアノに近い豊かな音色になっています。
さらに、上面放射スピーカーにより、グランドピアノのように広がりのある音を再現!
グランドピアノは、構造上、音が上方向と下方向に放たれます。
「CA501」は、上方向と下方向にスピーカーを搭載し、グランドピアノの音の響きを再現しています。
CA701
カワイの電子ピアノの大きな特徴は、鍵盤の性能が高いこと。
そのカワイの中で、最上級の鍵盤「グランド・フィール・アクションⅢ」が搭載されているのが、CA701。
よく、電子ピアノの鍵盤は、「重い」「軽い」という言葉で比較されますが、大事なのは「重さ」だけではありません。
たとえば、グランドピアノは、強いタッチで弾いた時には、低音域は重く、高音域は軽く感じます。
しかし、弱いタッチなら、手応えは一定。
そういったことも再現されてこそ、1曲を通して演奏したときに、グランドピアノとのギャップを感じず、弾くことができます。
また、グランドピアノは鍵盤の戻りが速く、速い連打でも指に吸いついてくるような感覚で弾けます。
「CA701」の鍵盤も、指に吸いつくような高い連打性が再現されているため、上級レベルの曲を弾いたときにも違和感なく、演奏ができますよ。
また、
というのも、しっかり再現されているため、
イメージした音色を出すことができる
のも上級者に嬉しい特徴です。
CA901
CA901の鍵盤は、ひとつ前にお伝えした「CA701」と同じ。
「CA701」との大きな違いは、スピーカー!
「CA901」のスピーカーには、響板(木の板)がついていて、音を鳴らすと、実際に響板が振動するんです。
私も弾いてみて、びっくりしたのですが、音に包まれる感覚は、まさに生ピアノ!
グランドピアノに近い電子ピアノを探している方に、全てのメーカーの電子ピアノの中で、一番おすすめのモデルです。
グランドピアノに近い電子ピアノの選び方については、グランドピアノに近い電子ピアノ【上級者も満足できるメーカーとは】にくわしく書いています。