どうやったら読めるようになるんだろう?
そんなふうに悩んでいるあなたは、
ドレミを数えながら楽譜を読み、音を覚えるまでひたすら弾く
という練習をしていませんか?
そして音を覚えたら楽譜はもう見ていないということはありませんか?
その練習方法では、楽譜が読めるようにはなりません。
私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
今回は、「楽譜が読めるようになるためにはどんな練習をしたらいいのか」をお伝えします。
楽譜が読めるようになれば、譜読みにかける時間を短くできるので、もっとたくさんの曲が弾けるようになりますよ。
Contents
楽譜が読めない人がやってはいけない練習法
楽譜が読めないと悩んでいる方がやってしまいがちなのが
ドレミを数えながら楽譜を読み、覚えるまでひたすら弾く
という練習法。
でも、しばらく練習をお休みすると忘れてしまい、弾けなくなっているという方が多いんです。
この練習法では、いつまでたっても楽譜が読めるようにはなりません。
楽譜がスラスラ読めるようになる3つの練習法
楽譜が読めない原因は次の3つです。
- 音符を見てすぐに何の音かわからない
- 楽譜を見ながら弾けなくて鍵盤ばかり見てしまう
- 和音が読めない
この3つのことができるようになると、楽譜がスラスラと読めるようになっていきますよ。
それでは、効果的な3つの練習法をお伝えします。
音符を見てすぐに何の音かわからない
楽譜が読めない人は

のように一度、頭で「ド」と考えてから弾いています。
楽譜がスラスラ読める人は

のように、すぐに指を動かすことができます。
音符を見たらすぐに指が反応できるようになると、楽譜を読むのがぐっと早くなりますよ。
これは、もうトレーニングするしかありません。
中学生のときに英単語を覚えたように、繰り返し練習して覚えていきましょう。
次のような音符カードを使うといいですよ。
音符カードやアプリなら通勤時間とかも利用できますよね。
音符を見てすぐに何の音がわかるようになれば次は…
音符を見たらすぐに指が反応できるようにトレーニングしましょう。
音符カードをランダムに取り出して、鍵盤で弾きます。
頭で考えなくてもパッと弾けるようになることを目標にトレーニングしてください。
ローランドの電子ピアノには、このようなトレーニングができるモデルもありますよ。
詳しくは「初心者にも最適!ローランドの電子ピアノおすすめ7選をヤマハ講師が解説」に書いています。
気楽な気持ちでやってくださいね。
楽譜を見ながら弾けなくて鍵盤ばかり見てしまう
楽譜をスラスラ読んで弾くために大事なことは
鍵盤ではなく楽譜を見ながら弾けるようになること
です。
でも、これがなかなか難しいんですよね。
まずは、指のポジションを変えなくても弾ける曲から練習していきましょう。
指のポジションを変えなくても弾ける曲とは…
ドレミファソなど、隣り合った鍵盤に5本の指を置いたまま最後まで弾ける曲。

例えば、チューリップの曲は、
「ドレミ ドレミ ソミレドレミレ」です。
ドレミファソに指を置いたまま弾けますよね♪
和音が読めない
下の図のように、おだんごみたいに3つ並んでいる音を見たことがありませんか?

これが和音。
和音とは、3つ以上の音を一緒に鳴らして弾く音です。
曲には和音がたくさん出てくるんです。
上の楽譜は、すべてドミソの和音です。
このように、和音は形を変えて出てきます。
これら全てが「ドミソ」だとすぐにわかれば、和音を読むのも楽になりますよね。
和音にはとてもたくさんの種類がありますが、よく出てくる和音だけでもパッと読めるようにしておけば、曲を弾くときに役に立ちますよ。
楽譜が読めるようになるピアノ教本はコレ!
鍵盤ではなく楽譜を見ながら弾けるようになるピアノ教本
鍵盤ではなく楽譜を見ながら弾けるようにするためには次の2つのピアノ教本がおすすめ。
- ブラインドタッチで弾けるおとなのための楽しいピアノスタディ
- 大人のための独習バイエル
1つずつ、見ていきましょう。
ブラインドタッチで弾けるおとなのための楽しいピアノスタディ
「ブラインドタッチで弾けるおとなのための楽しいピアノスタディ」は、鍵盤を見ないで楽譜を見ながら弾く力をつけるために作られたピアノ教本なんです。
3巻まであります。
1巻は全ての曲が指のポジションを変えなくても弾ける曲!
指のポジションを変えなくていいので、鍵盤を見なくても弾きやすいんです。
2巻からは、少しずつ弾く幅が広がっていきますが、無理なく進められるように、離れすぎない音符で作られていますよ。
3巻のおわりには、「エリーゼのために」を自分で楽譜を読んで弾けるように♪
大人のための独習バイエル
「バイエル」は、昔からたくさんの人に使われてきた初心者用のピアノ教本です。
そのバイエルを、独学でピアノを弾く大人のために編集したのが「大人のための独習バイエル」。
「大人のための独習バイエル」の上巻は、指のポジションを変えないで弾けるように作られています。
おすすめポイントは、音符の長さをしっかり理解できるところ!

上の図のような音符の長さを理解しやすい曲ばかりなので、リズムを読む力もついていきますよ。
和音を読む練習ができるピアノ教本
和音を読む練習ができるピアノ教本は次の2冊!
- みんなのオルガンピアノの本3巻、4巻
- ツェルニー リトルピアニスト
1つずつ、見ていきましょう。
みんなのオルガンピアノの本3巻、4巻
「みんなのオルガンピアノの本」の3巻と4巻には、和音伴奏の曲がたくさん入っています。
ツェルニー リトル ピアニスト
ツェルニーは、作曲家、兼ピアニストです。
生涯でとてもたくさんの練習曲を作曲しました。
「ツェルニー リトルピアニスト」には、和音の曲がたくさんあるだけではなく、音階練習ものっているので、譜読みに強くなりますよ。
- オルガンピアノの本
- ツェルニーリトルピアニスト
は、初級向けの教本ですが、指のポジションがけっこう変わるので、楽譜が読めない方には難しい部分もあります。
そのため、この2冊のピアノ教本を練習するのは、先に紹介した
- ブラインドタッチで弾けるおとなのための楽しいピアノスタディ
- 大人のための独習バイエル
などをやってから(もしくは併用して)使うのがおすすめ。
と感じたら、ピアノ教室に通ってみるのもいいかもしれません。
ピアノ教室の選び方は【大人のピアノ教室の選び方】ピアノ講師が教える7つのチェックポイントで詳しく書いています。
まとめ
楽譜が読めないと悩んでいる方がやってはいけない練習法が
ドレミを数えながら読み、音を覚えるまでひたすら弾く
という練習です。
楽譜が読めるようにするためには、次の3つのことができるようになりましょう。
- 音符を見てすぐに何の音かがわかる
- 鍵盤ではなく、楽譜を見ながら弾ける
- 和音をパッと読める
今回、お伝えした練習法をぜひやってみてくださいね。
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