私は、ヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
という方のために、
- カシオの電子ピアノの特徴「メリット」と「デメリット」
- カシオ電子ピアノ「シリーズ」による違い
- カシオ電子ピアノの選び方
- カシオのおすすめ電子ピアノ7選
の順番で、解説していきます。
カシオ電子ピアノの特徴「メリット」と「デメリット」
まずは、カシオの電子ピアノの特徴を
- メリット
- デメリット
にわけて、見ていきましょう。
カシオ電子ピアノのメリット
カシオの電子ピアノのメリットは、コスパが高いこと!
他メーカの同価格帯モデルと比べてみると、カシオの電子ピアノは、機能が充実しているんです。
例えば、卓上タイプの電子ピアノ(市場価格 5〜6万円台)で比べてみると…
※横スクロールできます
Bluetooth接続 | オーディオ録音 | 音色数 | 内蔵曲 | |
ヤマハ P–145 | × | × | 10 | 20曲 |
カワイ ES120 | ○ | × | 25 | 16曲 |
ローランド FP–10 | × | × | 15 | 32曲 |
カシオ PX–S1100 | ○ | ○ | 18 | 61曲 |
- Bluetooth接続
- オーディオ録音
の両方が可能なのは、カシオの「PX–S1100」のみ。
「スマホやタブレット」と「電子ピアノ」をBluetoothで接続可能。スマホ内の音楽を電子ピアノのスピーカーで聴いたり、一緒に演奏したりできる。
電子ピアノでの演奏をUSBにオーディオデータとして録音が可能。パソコンなどで再生できる。
また、ハイブリッドピアノ(グランドピアノアクション)の価格を比べてみると…
- カシオ 30〜40万円台
- ヤマハ 70〜170万円台
- カワイ 100万円台
カシオのハイブリッドピアノは、他メーカーよりかなり安いですよね!
と思う方もいるかもしれませんが、私が弾いてみたところ、タッチはグランドピアノそのものでした!
安くて、性能がいい
それが、カシオの電子ピアノのメリットです。
PX(プリヴィア)シリーズには、木目×ブラックに丸いスツールなど、インテリア性抜群のモデルもありますよ。
カシオ電子ピアノのデメリット
一概に「デメリット」とは言えませんが、カシオには「ヤマハ」や「カワイ」のような木製鍵盤はありません。
カシオの木製鍵盤は、ヤマハやカワイのような木材のみでできた鍵盤ではなく、
木材と樹脂を組み合わせた鍵盤
となります。
ヤマハ、カワイ | カシオ、ローランド |
木材のみの木製鍵盤 | 木材と樹脂を組み合わせた木製鍵盤 |
上の表のように、
- ヤマハ、カワイ → 木材のみの木製鍵盤(ヤマハは白鍵のみ木材)
- カシオ、ローランド → 木材と樹脂を組み合わせた木製鍵盤
となります。
どちらにもそれぞれのメリットがあるため、実際に弾き比べてみるのがおすすめ!
カシオの鍵盤は、デジタル技術により
- 打鍵から発音までのタイミング
- 鍵盤を離してから音が消えるまでの時間
- 離鍵の速さの違いによる、音の余韻、表情の変化
など、グランドピアノの演奏感が細かく再現されています。
そのため、グランドピアノに近い感覚で演奏できますよ!
また、鍵盤にはカウンターウェイトが搭載されていて、軽いタッチでも繊細な表現ができるのが特徴!
「カワイ」や「ヤマハ」の木製鍵盤について、くわしく知りたい方は、
をどうぞ。
シリーズによる違い
カシオの電子ピアノには、次の4つのシリーズがあります。
- CDP
- PX(プリヴィア)
- AP(セルヴィアーノ)
- GP(セルヴィアーノ グランド ハイブリッド)
ひとつずつ、解説していきますね!
CDP
CDPシリーズは、3〜4万円台(市場価格)で購入が可能な、
- 低価格
- 卓上タイプ
の電子ピアノ。
という方におすすめです。
「電子ピアノ」と「キーボード」の違いについては、電子ピアノのおすすめ10選【ピアノの先生が人気モデル&選び方を解説】でくわしくお伝えしています。
PX(プリヴィア)
PXシリーズの特徴は、スリム&コンパクト!
- 卓上タイプ
- 据え置き型
の2つのタイプがあります。
PXシリーズは、低価格で、機能も充実!
初心者の方にも、おすすめのシリーズですよ。
AP(セルヴィアーノ)
APシリーズは、据え置き型のモデル。
ひとつ前にお伝えした、PXシリーズの据え置き型と比べると、奥行きがあるのが特徴。
奥行きがある分、天板を開けられたりなど、豊かな音色で演奏ができますよ!
- 置くためのスペースがある
- 「音」にもこだわって選びたい
という方におすすめ!
GP(セルヴィアーノ グランド ハイブリッド)
GPシリーズは、ハイブリッドピアノ。
つまり、
グランドピアノの鍵盤の仕組み(アクション)を搭載したモデル
です。
グランドピアノに近い鍵盤タッチ
を重視して選びたい方に、とてもおすすめのシリーズです。
カシオ電子ピアノの選び方
カシオの電子ピアノを選ぶときは、次の5つをチェックすると、あなたに合ったモデルが見つかりますよ!
- タイプ
- 鍵盤
- 音源
- オーディオ録音機能
- Bluetoothオーディオ機能
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
タイプ
カシオの電子ピアノのタイプ(形)は、次の3つ。
- 卓上タイプ
- スタンド一体型(スリムタイプ)
- キャビネットタイプ
それぞれ次のようなモデルがあります。
- CDP–S110
- PX-S1100
- PX-S3100
など
- PX-770
- PX-870
- AP-S450
- AP-S200
- AP-750
- AP-550
- AP-300
- GP-310
- GP-510
鍵盤
カシオの電子ピアノには、次の3つの鍵盤があります。
- スマートハイブリッドハンマーアクション鍵盤
- スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤
- ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤
1つずつ、見ていきましょう。
スマートハイブリッドハンマーアクション鍵盤
樹脂と木材を組み合わせた鍵盤。
グランドピアノと同じようにハンマーの自重を利用し、優しく弾くとタッチ感も柔らかく、強く弾くと弾き応えが大きくなるのが特長!
カウンターウェイトが装着されているため、軽いタッチでも繊細な表現が可能!
また、カシオのデジタル技術により、
- 離鍵の速さによる音の余韻、表情の変化
- 打鍵から発音までのタイミング
などが細かく再現され、グランドピアノに近い感覚で演奏することができますよ!
スマートハイブリッドハンマーアクション鍵盤 |
- AP–750
- AP–550
- AP–450
- PX–S7000
- PX–S6000
スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤
その名のとおり、とてもスマートな鍵盤。
この鍵盤が搭載された
- PX-S1100
- PX-S3100
は、奥行232mmと、スリムなボディになっています。
スリムだけど、グランドピアノのように、ハンマーの自重で動くアクションつき!
ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤
GPシリーズにだけ搭載されている鍵盤。
グランドピアノのタッチ感を再現するために、グランドピアノの鍵盤の仕組み(アクション)を搭載しています。
- 白鍵
- 黒鍵
- 鍵盤の土台
そのすべてに、良質なオーストリア産のスプルース材を使用。
これは、世界三大ピアノブランドといわれる「ベヒシュタイン」のグランドピアノと同じ素材なんですよ!
グランドピアノそのもののタッチ感でした。
ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤のモデル |
- GP–510
- GP–310
音源
カシオの電子ピアノには、次の2つ音源があります。
- マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源
- AiR Grand音源
1つずつ、見ていきましょう。
マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR
グランドピアノは、
- 弦
- ピアノ内部のパーツ
の共鳴によって、繊細で美しい響きが生まれます。
「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源」は、グランドピアノの共鳴による響きを徹底追求!
また、
- タッチ
- 音の長さ
による「音色の変化」を3次元的にコントロールする技術により、豊かな音色で演奏ができますよ!
AiR Grand
「AiR Grand」には、3つのピアノの音色が入っています。
- ベルリン・グランド
- ハンブルク・グランド
- ウィーン・グランド
これらの音色は、先にお伝えした「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR」の音源技術を使い、世界中で愛されている3つのピアノを分析して作られたもの。
3つの音色のうち、「ベルリン・グランド」は、世界三大ピアノブランドといわれる「ベヒシュタイン」との共同開発!
私が3つの音色を弾いてみたところ…
- 「ベルリン・グランド」→しっとりとした上品な音色
- 「ハンブルク・グランド」→華やかな音色
- 「ウィーン・グランド」→ふだんヤマハのグランドピアノを弾いている私にも、馴染みのある音色
に感じました。
オーディオ録音機能
電子ピアノでの演奏をUSBに録音し、パソコンなどでそのまま再生できる機能です。
電子ピアノの録音には、
- MIDI録音
- オーディオ録音
があります。
- MIDI録音は、演奏情報の記録であり、「音」を録音しているわけではありません。そのため、録音した電子ピアノでのみ、再生できます。
- オーディオ録音の場合、「音」の録音のため、パソコンなどでも再生が可能!
オーディオ録音機能のあるモデル |
- PX-870
- AP–750
- AP–550
- AP–300
- AP–S450
- AP–S200
- PX-S1100
- PX-S3100
- PX–S7000
- PX–S6000
- GP−310
- GP−510
このオーディオ録音機能、他メーカーだと上位のモデルにしか搭載されていません。
カシオなら、10万円未満のモデルにもこの機能があるんですよ。
Bluetoothオーディオ機能
- スマホ
- タブレット
と電子ピアノをBluetooth接続できる機能のことです。
- スマホ内の曲を電子ピアノの高品質なスピーカーで聴く
- お気に入りの曲を再生しながら、一緒に演奏する
- YouTubeのレッスン動画を流しながら練習する
など、いろいろな楽しみ方ができますよ!
カシオのおすすめ電子ピアノ7選
カシオの電子ピアノでおすすめのモデルは、次の7つ。
- PX–S1100
- PX–S3100
- PX–770
- PX–870
- AP–550
- GP–310
- GP–510
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
PX–S1100
電子ピアノ全体の中でも、特によく売れている、PX–S1100。
価格.comの、人気売れ筋ランキングでも常に上位にあります。
レビュー評価が高い理由は…
- 自然な重みの鍵盤タッチ
- 機能が充実している
など。
鍵盤タッチは…
ハンマーの自重で動くアクションつきの鍵盤を搭載しているため、グランドピアノに近い、自然な重みのあるタッチになっています。
機能は…
- Bluetoothオーディオ機能
- USBへのオーディオ録音
- 無料アプリでスマホを電子ピアノのリモコンにできる
など、他メーカーの同価格帯モデルに比べると、多機能!
PX–S3100
「PX–S3100」は、ひとつ前に紹介した「PX–S1100」の上位モデル。
「PX–S3100」の特徴は、
- 音色数
- エフェクトの種類
- 内蔵リズム数
が多いこと!
また、
- 自動伴奏機能
- ピッチベンドホイール
- アサイナブルノブ
などが搭載されており、音楽の楽しみ方が広がります。
- バンドで演奏したい
- ピアノ以外の音色でも演奏したい
という方におすすめですよ!
PX–770
「PX–770」は、スタンド一体型の電子ピアノの中でも、低価格なモデル。
低価格ながら、
- ハンマーの自重によるアクションつき→「自然な重みのタッチ」
- 象牙調、黒壇調→「すべりにくい」
- センサーが3つ→「表現力、連打性にすぐれている」
と鍵盤の性能が高いのが、魅力!
PX–870
ひとつ前でお伝えした「PX–770」と
- 鍵盤
- 音源
は、同じ。
しかし、「PX–870」の方が、
- 音に広がりがある
- 表現がしやすい
という特徴があります。
なぜなら、
- スピーカー数が多い(4つ)
- グランドピアノの共鳴を再現する機能が多い
から。
この価格帯で、スピーカーが4つあるのは、カシオだけ!
上部にもスピーカーがあるため、
- 音の抜けがよい
- 音の広がりのある
のが特徴!
奥行き299mmと
スリム&スタイリッシュ
なデザインで、お部屋に馴染みやすいのも嬉しいですね。
AP–550
樹脂と木材を組み合わせた鍵盤「スマートハイブリッドハンマーアクション鍵盤」を搭載したモデル。
- 優しく弾くとタッチ感が柔らかい
- 強く弾くと弾き応えが大きくなる
というグランドピアノの鍵盤タッチ感を再現!
また、カシオのデジタル技術により、
- 離鍵の速さによる音の余韻、表情の変化
- 打鍵から発音までのタイミング
などが細かく再現され、グランドピアノに近い感覚で演奏できるのが特徴です。
4つのスピーカーにより、音の響きも豊かで強弱の繊細な表現もできますよ!
GP–310
「GP–310」は、ハイブリッドピアノ。
ハイブリッドピアノとは…
アコースティックピアノのタッチ感を再現するために、アコースティックピアノの鍵盤の仕組み(アクション)を搭載した電子ピアノ。
ハイブリッドピアノは、「ヤマハ」や「カワイ」にもあります。
しかし、グランドピアノのアクションを搭載したモデルの価格は、70万円台から。
一方、カシオの「GP310」の市場価格は、30万円台です。
「カシオ電子ピアノのメリット」のパートでもお伝えした通り、価格が安くても、鍵盤タッチは、グランドピアノそのもの!
「鍵盤タッチ」を重視して選びたい方に、おすすめです。
GP–510
ひとつ前で紹介した「GP-310」と
- 鍵盤
- 音源
は、同じです。
違いは、「GP–510」の方が、グランドピアノの共鳴を再現する機能が多いので、表現力がさらに豊かになっていること。
また、GP-510にはシーン機能がついています。
シーン機能とは…
音色、響き、残響などの組み合わせがプリセットされています。
作曲家、ジャンル、場所などに適した音色や響きで演奏を楽しむことができますよ。
まとめ
カシオの電子ピアノの特徴は、コスパが高いこと!
- 鍵盤
- 音源
などの、基本的な性能も高く、本格的な演奏が可能です。
また、低価格帯モデルでも
- Bluetoothオーディオ機能
- オーディオ録音機能
など、電子ピアノならではの機能が充実しているのも嬉しいですよね。