私は、ヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
という方のために、
- カシオの電子ピアノの特徴「メリット」と「デメリット」
- カシオ電子ピアノ「シリーズ」による違い
- カシオ電子ピアノの選び方
- カシオのおすすめ電子ピアノ7選
の順番で、解説していきます。
カシオ電子ピアノの特徴「メリット」と「デメリット」
まずは、カシオの電子ピアノの特徴を
- メリット
- デメリット
にわけて、見ていきましょう。
カシオ電子ピアノのメリット
カシオの電子ピアノのメリットは、コスパが高いこと!
他メーカの同価格帯モデルと比べてみると、カシオの電子ピアノは、機能が充実しているんです。
例えば、卓上タイプの電子ピアノ(市場価格 5〜6万円台)で比べてみると…
※横スクロールできます
Bluetooth接続 | オーディオ録音 | 音色数 | 内蔵曲 | |
ヤマハ P–125 | × | × | 24 | 71曲 |
カワイ ES110 | ○ | × | 19 | 118曲 |
ローランド FP–10 | × | × | 15 | 32曲 |
カシオ PX–S1100 | ○ | ○ | 18 | 61曲 |
- Bluetooth接続
- オーディオ録音
の両方が可能なのは、カシオの「PX–S1100」のみ。
「スマホやタブレット」と「電子ピアノ」をBluetoothで接続可能。スマホ内の音楽を電子ピアノのスピーカーで聴いたり、一緒に演奏したりできる。
電子ピアノでの演奏をUSBにオーディオデータとして録音が可能。パソコンなどで再生できる。
また、ハイブリッドピアノ(グランドピアノアクション)の価格を比べてみると…
- カシオ 30〜40万円台
- ヤマハ 70〜170万円台
- カワイ 100万円台
カシオのハイブリッドピアノは、他メーカーよりかなり安いですよね!
と思う方もいるかもしれませんが、私が弾いてみたところ、タッチはグランドピアノそのものでした!
安くて、性能がいい
それが、カシオの電子ピアノのメリットです。
カシオ電子ピアノのデメリット
カシオの電子ピアノのデメリットは、鍵盤の種類が少ないこと。
ヤマハやカワイの電子ピアノには、次の3種類の鍵盤があります。
- 樹脂鍵盤
- 木製鍵盤
- ハイブリッドピアノの鍵盤
それぞれ、どんな鍵盤かというと…
①樹脂鍵盤 | 樹脂(プラスティック)製の鍵盤 |
---|---|
②木製鍵盤 | 木製の鍵盤 |
③ハイブリッドピアノの鍵盤 | アコースティクピアノのアクションをそのまま搭載した鍵盤 |
上の3つの鍵盤を「グランドピアノのタッチとのギャップ」で比べると、次のようになります。
一方、カシオの電子ピアノにある鍵盤は、
- 樹脂鍵盤
- ハイブリッドピアノの鍵盤
の2種類です。
つまり、カシオには、「カワイ」や「ヤマハ」のような「木製鍵盤」がなく、
というニーズに合うモデルがありません。
とはいえ、カシオには、30万円台で、グランドピアノの鍵盤タッチに限りなく近い「ハイブリッドピアノ」があります。
「鍵盤タッチ」を重視して選びたい方は、カシオのハイブリッドピアノを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
「カワイ」や「ヤマハ」の木製鍵盤について、くわしく知りたい方は、
をどうぞ。
シリーズによる違い
カシオの電子ピアノには、次の4つのシリーズがあります。
- CDP
- PX(プリヴィア)
- AP(セルヴィアーノ)
- GP(セルヴィアーノ グランド ハイブリッド)
ひとつずつ、解説していきますね!
CDP
CDPシリーズは、3万円台で購入が可能な、
- 低価格
- 卓上タイプ
の電子ピアノ。
という方におすすめです。
「電子ピアノ」と「キーボード」の違いについては、電子ピアノのおすすめ10選【ピアノの先生が人気モデル&選び方を解説】でくわしくお伝えしています。
PX(プリヴィア)
PXシリーズの特徴は、スリム&コンパクト!
- 卓上タイプ
- 据え置き型
の2つのタイプがあります。
PXシリーズは、低価格で、機能も充実!
初心者の方にも、おすすめのシリーズですよ。
AP(セルヴィアーノ)
APシリーズは、据え置き型のモデル。
ひとつ前にお伝えした、PXシリーズの据え置き型と比べると、奥行きがあるのが特徴。
奥行きがある分、天板を開けられたりなど、豊かな音色で演奏ができますよ!(AP–710、AP–470)
- 置くためのスペースがある
- 「音」にもこだわって選びたい
という方におすすめ!
GP(セルヴィアーノ グランド ハイブリッド)
GPシリーズは、ハイブリッドピアノ。
つまり、
グランドピアノの鍵盤の仕組み(アクション)を搭載したモデル
です。
グランドピアノに近い鍵盤タッチ
を重視して選びたい方に、とてもおすすめのシリーズです。
カシオ電子ピアノの選び方
カシオの電子ピアノを選ぶときは、次の5つをチェックすると、あなたに合ったモデルが見つかりますよ!
- タイプ
- 鍵盤
- 音源
- オーディオ録音機能
- Bluetoothオーディオ機能
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
タイプ
カシオの電子ピアノのタイプ(形)は、次の3つ。
- 卓上タイプ
- スタンド一体型(スリムタイプ)
- キャビネットタイプ
それぞれ次のようなモデルがあります。
- CDP–S110
- PX-S1100
- PX-S3100
など
- PX-770
- PX-870
- AP-710
- AP-470
- AP-270
- GP-310
- GP-510
鍵盤
カシオの電子ピアノには、次の3つの鍵盤があります。
- 3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤Ⅱ
- スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤
- ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤
1つずつ、見ていきましょう。
3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤Ⅱ
この鍵盤は、グランドピアノと同じように、バネを使わずハンマーの重さだけで動きます。
そのため、グランドピアノに近い、自然な重さのタッチになっていますよ。
また、鍵盤には3つのセンサーがついていて、
- 連打性に優れている
- 豊かな表現ができる
のが特徴。
3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤Ⅱのモデル |
- AP–710
- AP–470
- AP–270
- PX–870
- PX–770
スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤
その名のとおり、とてもスマートな鍵盤。
この鍵盤が搭載された
- PX-S1100
- PX-S3100
は、奥行232mmと、スリムなボディになっています。
スリムだけど、グランドピアノのように、ハンマーの自重で動くアクションつき!
ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤
GPシリーズにだけ搭載されている鍵盤。
グランドピアノのタッチ感を再現するために、グランドピアノの鍵盤の仕組み(アクション)を搭載しています。
- 白鍵
- 黒鍵
- 鍵盤の土台
そのすべてに、良質なオーストリア産のスプルース材を使用。
これは、世界三大ピアノブランドといわれる「ベヒシュタイン」のグランドピアノと同じ素材なんですよ!
グランドピアノそのもののタッチ感でした。
ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤のモデル |
- GP–510
- GP–310
音源
カシオの電子ピアノには、次の2つ音源があります。
- マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源
- AiR Grand音源
1つずつ、見ていきましょう。
マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR
グランドピアノは、
- 弦
- ピアノ内部のパーツ
の共鳴によって、繊細で美しい響きが生まれます。
「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源」は、グランドピアノの共鳴による響きを徹底追求!
また、
- タッチ
- 音の長さ
による「音色の変化」を3次元的にコントロールする技術により、豊かな音色で演奏ができますよ!
「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR」のモデル |
AP–710以外の「AP」「PX」シリーズ
AiR Grand
「AiR Grand」には、3つのピアノの音色が入っています。
- ベルリン・グランド
- ハンブルク・グランド
- ウィーン・グランド
これらの音色は、先にお伝えした「マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR」の音源技術を使い、世界中で愛されている3つのピアノを分析して作られたもの。
3つの音色のうち、「ベルリン・グランド」は、世界三大ピアノブランドといわれる「ベヒシュタイン」との共同開発!
私が3つの音色を弾いてみたところ…
- 「ベルリン・グランド」→しっとりとした上品な音色
- 「ハンブルク・グランド」→華やかな音色
- 「ウィーン・グランド」→ふだんヤマハのグランドピアノを弾いている私にも、馴染みのある音色
に感じました。
- AP–710
- GPシリーズ
オーディオ録音機能
電子ピアノでの演奏をUSBに録音し、パソコンなどでそのまま再生できる機能です。
電子ピアノの録音には、
- MIDI録音
- オーディオ録音
があります。
- MIDI録音は、演奏情報の記録であり、「音」を録音しているわけではありません。
そのため、パソコンで再生すると、電子ピアノの音ではなく、パソコン内蔵の音源で再生されます。 - オーディオ録音の場合、「音」の録音のため、そのままの音で再生が可能。
オーディオ録音機能のあるモデル |
- PX-S1100
- PX-S3100
- PX-870
- AP-710
- AP-470
- GP−310
- GP−510
このオーディオ録音機能、他メーカーだと上位のモデルにしか搭載されていません。
カシオなら、10万円未満のモデルにもこの機能があるんですよ。
Bluetoothオーディオ機能
- スマホ
- タブレット
と電子ピアノをBluetooth接続できる機能のことです。
- スマホ内の曲を電子ピアノの高品質なスピーカーで聴く
- お気に入りの曲を再生しながら、一緒に演奏する
- YouTubeのレッスン動画を流しながら練習する
など、いろいろな楽しみ方ができますよ!
Bluetoothオーディオ機能のあるモデル |
- PX-S1100
- PX-S3100
カシオのおすすめ電子ピアノ7選
カシオの電子ピアノでおすすめのモデルは、次の7つ。
- PX–S1100
- PX–S3100
- PX–770
- PX–870
- AP–470
- GP–310
- GP–510
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
PX–S1100
電子ピアノ全体の中でも、特によく売れている、PX–S1100。
価格.comの、人気売れ筋ランキングでも常に上位にあります。
レビュー評価が高い理由は…
- 自然な重みの鍵盤タッチ
- 機能が充実している
など。
鍵盤タッチは…
ハンマーの自重で動くアクションつきの鍵盤を搭載しているため、グランドピアノに近い、自然な重みのあるタッチになっています。
機能は…
- Bluetoothオーディオ機能
- USBへのオーディオ録音
- 無料アプリでスマホを電子ピアノのリモコンにできる
など、他メーカーの同価格帯モデルに比べると、多機能!
PX–S3100
「PX–S3100」は、ひとつ前に紹介した「PX–S1100」の上位モデル。
「PX–S3100」の特徴は、
- 音色数
- エフェクトの種類
- 内蔵リズム数
が多いこと!
また、
- 自動伴奏機能
- ピッチベンドホイール
- アサイナブルノブ
などが搭載されており、音楽の楽しみ方が広がります。
- バンドで演奏したい
- ピアノ以外の音色でも演奏したい
という方におすすめですよ!
PX–770
「PX–770」は、スタンド一体型の電子ピアノの中でも、低価格なモデル。
低価格ながら、
- ハンマーの自重によるアクションつき→「自然な重みのタッチ」
- 象牙調、黒壇調→「すべりにくい」
- センサーが3つ→「表現力、連打性にすぐれている」
と鍵盤の性能が高いのが、魅力!
PX–870
ひとつ前でお伝えした「PX–770」と
- 鍵盤
- 音源
は、同じ。
しかし、「PX–870」の方が、
- 音に広がりがある
- 表現がしやすい
という特徴があります。
なぜなら、
- スピーカー数が多い(4つ)
- グランドピアノの共鳴を再現する機能が多い
から。
この価格帯で、スピーカーが4つあるのは、カシオだけ!
上部にもスピーカーがあるため、
- 音の抜けがよい
- 音の広がりのある
のが特徴!
奥行き299mmと
スリム&スタイリッシュ
なデザインで、お部屋に馴染みやすいのも嬉しいですね。
AP–470
ひとつ前にお伝えした「PX–870」と、機能はほぼ同じ!
違うのは、奥行きです。
「AP–470」は、「PX–870」より、奥行きがあります。
「AP–470」奥行き 432mm
「PX–870」奥行き 299mm
奥行きがある分、
- ペダルが踏みやすい
- 大屋根を開けられる構造になっており、豊かで広がりのある音で演奏ができる
という特徴があります。
GP–310
「GP–310」は、ハイブリッドピアノ。
ハイブリッドピアノとは…
アコースティックピアノのタッチ感を再現するために、アコースティックピアノの鍵盤の仕組み(アクション)を搭載した電子ピアノ。
ハイブリッドピアノは、「ヤマハ」や「カワイ」にもあります。
しかし、グランドピアノのアクションを搭載したモデルの価格は、70万円台から。
一方、カシオの「GP310」の市場価格は、30万円台です。
「カシオ電子ピアノのメリット」のパートでもお伝えした通り、価格が安くても、鍵盤タッチは、グランドピアノそのもの!
「鍵盤タッチ」を重視して選びたい方に、おすすめです。
GP–510
ひとつ前で紹介した「GP-310」と
- 鍵盤
- 音源
は、同じです。
違いは、「GP–510」の方が、グランドピアノの共鳴を再現する機能が多いので、表現力がさらに豊かになっていること。
また、GP-510にはシーン機能がついています。
シーン機能とは…
音色、響き、残響などの組み合わせがプリセットされています。
作曲家、ジャンル、場所などに適した音色や響きで演奏を楽しむことができますよ。
まとめ
カシオの電子ピアノの特徴は、コスパが高いこと!
- 鍵盤
- 音源
などの、基本的な性能も高く、本格的な演奏が可能です。
また、低価格帯モデルでも
- Bluetoothオーディオ機能
- オーディオ録音機能
など、電子ピアノならではの機能が充実しているのも嬉しいですよね。