私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
買うなら、まずは安い電子ピアノにしたい。
という方も多いですよね。
でも、
と不安に思う方もいらっしゃると思います。
できれば、安くて、本格的なタッチの電子ピアノを探したいですよね。
そこで今回は、安い電子ピアノについて
- 高い電子ピアノとの違い
- 買っても大丈夫か
- 選び方【4つの注意点】
- おすすめ8選
の順番で解説していきます。
安い電子ピアノと高い電子ピアノの違い
電子ピアノの価格は、3万円程度から100万円を超えるものまで幅広いので、
と疑問に思いますよね。
主な違いは、
- 鍵盤タッチ
- 音色の豊かさ
です。
価格の高い電子ピアノほど、鍵盤タッチが生ピアノに近く、また、豊かな音色表現ができます。
電子ピアノを選ぶときに、この「鍵盤タッチ」と「音色の豊かさ」はとても大事なんです!
なぜなら、鍵盤タッチが軽すぎる電子ピアノでは、
- ミスタッチをしやすい
- 強弱などのコントロールがしにくい
から。
また、ピアノは上達してくると、
- もっと強弱をつけたい
- こんな音色で弾きたい
など、音色にこだわりたくなるものです。
その時に、思ったような音色表現ができない電子ピアノでは、物足りなくなってしまいます。
安い電子ピアノでも大丈夫なのか
電子ピアノを選ぶときに、
- 鍵盤タッチ
- 音色の豊かさ
が大事だとお伝えしました。
また、価格の高い電子ピアノほど、その2つが生ピアノに近くなるとお伝えしました。
と疑問に思いますよね。
結論から言うと、ピアノを長く続けていくと、安い電子ピアノでは物足りなくなるかもしれません。
でも、はじめは安い電子ピアノでも問題ありません。
電子ピアノは、メーカーの努力により、どんどん進化しています。
現在では、安い電子ピアノでも、しっかりと生ピアノらしさがあるんですよ。
ただし、安い電子ピアノは、選び方が大事!
なぜなら、安い電子ピアノの中には、鍵盤タッチがとても軽く、音色がほとんど変わらない物もあるから。
買ってから後悔しないためにも、次のパートでお伝えする「注意点」をチェックしてくださいね。
安い電子ピアノ【4つの注意点】
安い電子ピアノを選ぶときの注意点は、次の4つ!
- 電子ピアノとキーボードの違いを理解する
- 鍵盤数
- ハンマーアクション鍵盤
- メーカー
1つずつ、解説していきます。
電子ピアノとキーボードの違いを理解する
電子ピアノとキーボードは、見た目が似ています。
と聞かれることがありますが、ピアノ曲を弾きたいなら、キーボードはおすすめできません。
なぜなら、キーボードは電子ピアノと比べると、
- 鍵盤タッチが軽い
- 音色があまり変化しない
から。
はじめに、お伝えしたように「鍵盤タッチ」「音色の豊かさ」は、電子ピアノを選ぶときの大切なポイント!
キーボードは、ピアノ演奏を目的に作られていません。
そのため、ピアノ曲の練習をするのは、むずかしいんです。
鍵盤数
電子ピアノのほとんどは、88鍵盤です。
しかし、次のように88鍵ではないモデルもあります。
ヤマハ「P-121」 | 73鍵 |
コルグ「SV-2」 | 73鍵 |
ピアノの曲は、88鍵を想定して作られているので、それより少ないモデルでは鍵盤が足りなくなることも多いんです。
特別な理由がない限り、88鍵盤のモデルがおすすめですよ!
ハンマーアクション鍵盤
鍵盤を押したあと、ハンマーの重さで鍵盤が元に戻る
そのような仕組みなっている電子ピアノの鍵盤のことです。
ハンマーアクション鍵盤の特徴は、次の2つ。
- 生ピアノに近いタッチ感
- 鍵盤の戻りが自然(バネの力を使わずに、ハンマーの重さで鍵盤が元の位置に戻るため)
本格的なタッチの電子ピアノを探すなら、ハンマーアクション鍵盤の電子ピアノがおすすめです。
メーカーによっては、ハンマーとバネを組み合わせている鍵盤もあります。
メーカー
電子ピアノを製造しているメーカーは、たくさんあります。
でも、安くて、本格的なタッチの電子ピアノを購入するなら、次の5つのメーカーのモデルがおすすめ。
- YAMAHA(ヤマハ)
- KAWAI(カワイ)
- CASIO(カシオ)
- Roland(ローランド)
- KORG(コルグ)
なぜなら、5つのメーカーは
- 販売台数が多い
- 10万円以上の電子ピアノも製造しているため、技術力が高い
- サポートがしっかりしている
- 故障の場合も、電話、ホームページから修理依頼ができる
から。
5つのメーカーは、長年、改良をかさねながら電子ピアノを製造しています。
高価格帯モデルも製造しており、その中で培われた技術が、安い電子ピアノにも生かされています。
それでは、それぞれのメーカーの特徴を見てみましょう!
YAMAHA(ヤマハ)
アコースティックピアノメーカーとしても有名なヤマハ。
- 鍵盤タッチ
- 音色
- 電子ピアノならではの機能
など、どれにおいても、総合的にバランスが良いのが特徴。
4万円台〜170万円台
KAWAI(カワイ)
「生ピアノに近い」を重視するなら、カワイの電子ピアノがおすすめ。
理由の一つが、鍵盤タッチ!
カワイは、鍵盤にこだわって電子ピアノを製造していて、タッチが生ピアノに近いのが特徴なんです。
我が家にもカワイの電子ピアノがありますが、10万円未満のモデルでも
- 本格的なタッチ感
- 連打性がよく、細かい音符も弾きやすい
- 強弱などのコントロールがしやすい
など、生ピアノに近い感覚で弾くことができます。
もう一つの理由が、音色!
国際ピアノコンクールでも使われる、カワイのフルコンサートピアノ「SK-EX」のピアノ音を採用していて、豊かで繊細な表現ができますよ。
7万円台〜100万円台
CASIO(カシオ)
計算機や時計などでもおなじみのカシオ。
カシオの電子ピアノの特徴は、コスパの高さ!
「同じくらいの性能の電子ピアノが、カシオなら他メーカーより安い」なんてこともありますよ。
30万円以上のハイブリッドピアノの製造もしていて、技術力も確か!
鍵盤にもこだわりがあり、自然な重みのあるタッチと、優れた連打性が特徴です。
4万円台〜40万円台
Roland(ローランド)
ローランドは、電子楽器メーカー。
と聞かれることもありますが、電子楽器メーカーならではの強みがあります。
それが、技術力!
- 鍵盤タッチの強さに応じて、音の強弱をつけられる機能
- 強弱の無段階変化
- 象牙調鍵盤
など、いろいろな技術を、他メーカーより先に電子ピアノで実現してきたのが、ローランド。
音源には、「モデリング音源」があるため、
- 弾くたびに音色が変わる
- 生ピアノのような繊細な強弱がつく
そんなモデルがあるのが特徴です。
モデリング音源について、くわしくは、電子ピアノのおすすめ10選【ピアノの先生が人気モデル&選び方を解説】をどうぞ。
5万円台〜50万円台
KORG(コルグ)
コルグは、シンセサイザーなども製造する電子楽器メーカー。
電子ピアノは、10万円台までの低価格帯を製造しています。
スタンド一体型でも、10万円以下で探すことができますよ!
インテリアになじむ「スタイリッシュ&コンパクト」なデザインも魅力です。
3万円台〜10万円台
3万円未満の電子ピアノについて
安い電子ピアノを購入するなら、5つのメーカーがおすすめだとお伝えしました。
5つのメーカーの電子ピアノは、3万円台〜となります。
ネット通販などでは、3万円未満の電子ピアノを見かけることもありますよね。
と気になると思います。
失敗しないためには、
- ハンマーアクション鍵盤であるか
- 88鍵あるか
- サポートはしっかりしているか
などをしっかりチェックしてから、購入しましょう。
安い電子ピアノのおすすめ【3万円〜4万円台】
3〜4万円台は、おすすめした5つのメーカーでは、最安値の価格帯です。
安いですが、
- 本格的な鍵盤タッチ
- サポートもしっかりしている
ため、安心して使えますよ。
おすすめは、次の5つ!
- ヤマハ「P-45」
- ヤマハ「P−125a」
- コルグ「B2」
- コルグ「B2SP」
- カシオ「CDP-S110」
1つずつ、紹介していきますね。
ヤマハ最安値「P-45」
ヤマハの電子ピアノとしては最安値のモデルP-45。
奥行き295mm、質量11.5kgなので、持ち運びにも便利です。
ヤマハミュージックデータショップでは、ピアノの練習に活用できる
- MIDIデータ
- 楽譜データ
などをダウンロード購入でき、楽しみ方が広がりますよ!
ヤマハ「P−125a」
ヤマハ「P-45」のワンランク上のモデル。
「P-45」とは、同時発音数や音源が違うため、よりピアノらしい豊かな音色で演奏ができますよ。
P-45 | P−125a | |
同時発音数 | 64音 | 192音 |
音源 | AWMステレオサンプリング音源 | RGEスタンダードⅢ音源 |
その他、
- 本体への録音可能
- 無料アプリ「スマートピアニスト」が使える
など、「P-45」に比べると、楽しみ方がぐっと増えます。
また、テーブルEQという機能があり、「P−125a」をテーブルなどに置いて使う場合に、最適なサウンドにすることができますよ。
コルグ最安値「B2」
コルグの電子ピアノでは、最安値のモデルB2。
スタイリッシュ&コンパクトなデザインも魅力!
接続端子が豊富で、別売りのケーブルを使えば次のような楽しみ方ができますよ。
- タブレットやパソコンとつないでMIDIキーボードとして使える
- B2での演奏をスマートフォンなどで録音できる
- スマートフォン内の曲をB2のスピーカーで再生できる
また、ピアノ練習ソフト「Skoove」が3ヶ月無料で使えるため、これからピアノを始める方にもおすすめ!
「Skoove」について、くわしくはピアノ学習アプリSkoove(スクーブ)の体験レビュー | メリットとデメリットを解説に書いています。
コルグ「B2SP」
スタンド一体型で4万円台は、コルグだけ!
4万円台でも、
- ハンマーを使った鍵盤
- 3本ペダル
と本格的なのが、嬉しいですよね。
- 接続端子が豊富
- 「Skoove」が3ヶ月無料
などは、一つ上でお伝えした「B2」と同じですよ!
カシオ最安値「CDP-S110」
カシオの電子ピアノとしては、最安値のモデルCDP-S110。
奥行きわずか232mmのスリムボディ!
電源でも乾電池でも使用可能なので場所を選びません。
無料アプリ「CASIO MUSIC SPACE」を使うと、次のようなことができますよ!
- 楽譜が読めなくてもゲーム感覚で弾けるピアノロール
- アプリに収録されている楽譜を表示
- スマホやタブレット内の曲を本体スピーカーから再生
- ライブ体験
- 本体のリモコン操作
「③スマホやタブレット内の曲を本体スピーカーから再生」では、
- メロディキャンセル
- 伴奏キャンセル
もできるため、
- カラオケ
- 好きなアーティストの歌に合わせて伴奏する
なども楽しめそうですよね。(使用する曲によって、メロディキャンセル、伴奏キャンセルの効果は異なります。)
「④ライブ体験」では、スタジアムやライブハウスをイメージし、「観客の拍手」や「歓声」をバックに演奏ができます。
クラシックホールの残響感をシュミレーションしたステージもあり、発表会の模擬演奏なども可能!
その他、ビーチや雨などの自然の中での演奏を演出できるなど、とにかく多彩な楽しみ方ができますよ。
安い電子ピアノのおすすめ【5万円〜7万円台】
【5〜7万円台】の電子ピアノは、10万円以上のモデルと
- 同じ鍵盤
- 同じ音源
が搭載されているモデルもあり、コスパが高いのが特徴!
また、「Bluetoothオーディオ」など、機能も充実してくるため、楽しみ方も広がります。
5〜7万円台の電子ピアノの「選び方」と「おすすめ」は、5〜7万円台の電子ピアノ | 高コスパモデル6選をヤマハ講師が解説に書いています。
安い電子ピアノのおすすめ【8〜9万円台】
最後に8〜9万円台の電子ピアノを見ていきましょう。
おすすめは、次の3つ!
- ヤマハ「YDP-145」
- ヤマハ「YDP-S35」
- コルグ「G1B Air」
ヤマハ「YDP-145」
- 音色豊かなヤマハCFXサンプリング音源
- 内蔵ソング 合計363曲
- スマホ内の曲を本体スピーカーで再生(ケーブル要)
など、本格的で、機能も豊富!
内蔵ソングのうち、「クラシック名曲」と「レッスン曲」は、
- 片手ずつ再生
- テンポ変更
などもできるため、練習にも役立ちますよ!
ヤマハ「YDP-S35」
スリムでインテリアにもなじみやすい、YDP-S35。
鍵盤や音源は、上でお伝えした「YDP-145」と同じ!
機能面でもほぼ共通しています。
「YDP-S35」には、椅子、ヘッドホンの付属はありません。
コルグ「G1B Air」
- 4つのスピーカー
- 合計80wの迫力あるサウンド
- ハンマーアクション鍵盤
と本格的で、音の響きもいいコルグのG1B Air。
内蔵曲のうち、40曲のピアノソングは、
- テンポ変更
- 片手ずつ再生
- 部分的なリピート再生
などもできるため、練習にも役立ちますよ!
Bluetoothオーディオにも対応しているため、ケーブル不要で、スマホやタブレット内の曲を、本体スピーカーで再生できるのも嬉しいですよね。
まとめ
安くて本格的な電子ピアノを選ぶ4つのポイントは、
- 電子ピアノとキーボードの違いを理解する
- 鍵盤数
- ハンマーアクション鍵盤
- メーカー
でした。
メーカーの長年の努力により、現在は、安いピアノでも、生ピアノらしさがあり、音楽を楽しむ機能も豊富!
今回、お伝えしたモデルには、椅子の付属がないモデルもあります。
付属品も確認の上、購入を検討してくださいね。
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