私は、ヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
今回は、
という方のために、
- ローランド(Roland)とは
- ローランドの電子ピアノの特徴
- シリーズによる違い
- おすすめのローランド電子ピアノ
の順番で、解説していきます。
ローランド(Roland)とは
ローランドは、世界トップレベルの電子楽器メーカー!
電子楽器専門メーカーとしての、高い技術力が、ローランドの大きな魅力!
電子ピアノにおいて、ローランドの技術は、いつも、他メーカーの一歩先をいっています。
たとえば…
電子ピアノの鍵盤は、タッチの強さによって、音の強弱がつきますよね?
今では、当たり前の技術ですが、それを世界で初めて、電子ピアノで実現したのは、ローランドなんです。
現在も、「モデリング音源」という技術を、電子ピアノで使っているのはローランドだけ。
また、電子ピアノの音色に大きく関係する、スピーカーに強いのも、電子楽器メーカーならでは!
ローランドは、「ヤマハ」や「カワイ」と違ってアコースティックピアノは製造していません。
そのため…
と思う方もいます。
でも、電子ピアノは電子楽器!
電子楽器専門メーカーである「ローランドならではの強み」もありますよ。
ローランドの電子ピアノの特徴
ローランドの電子ピアノの大きな特徴として、次の3つがあります。
- モデリング音源
- ほとんどのモデルがBluetoothオーディオ対応
- 無料アプリが充実
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
モデリング音源
電子ピアノの音源には、次の2つがあります。
- サンプリング音源
- モデリング音源
電子ピアノの音源の主流は、サンプリング音源。
「ヤマハ」「カワイ」「カシオ」などの電子ピアノで使われているのは、サンプリング音源です。
「モデリング音源」が使われている電子ピアノがあるのは、「ローランド」だけ!
大きな違いは、音色の豊かさ!
「サンプリング音源」は、本物のグランドピアノの音を、サンプリング(デジタル録音)して作っています。
- 88鍵盤を1鍵1鍵、サンプリングする
- タッチの強さをわけて、きめ細かくサンプリングする
ことで、豊かな音色が出せます。
しかし、サンプリングされていない音を出すことはできません。
一方、「モデリング音源」は、電子ピアノの中で音を作り出すことができる音源。
弾いた瞬間に、アコースティックピアノの共鳴をシュミレートし、音を作り出します。
そのため、出せる音色に制約がありません。
ほとんどのモデルがBluetoothオーディオ対応
ローランドの電子ピアノの、ほとんどがBluetoothオーディオに対応しています。
「スマホ」と「電子ピアノ」をBluetooth接続すれば、スマホ内の曲を、電子ピアノの高音質なスピーカーから鳴らすことができます。
- 好きなアーティストの曲に合わせて演奏する
- YouTubeのレッスン動画を再生しながら練習する
など、楽しく練習ができますよ!
無料アプリが充実
ローランドの電子ピアノでは、多彩なアプリを使うことができるのも魅力!
次の4つの無料アプリを使うことができますよ。(機種によって使えるアプリが違います。)
- Roland Piano App (2022年8月リリース)
- Piano Every Day (2022年末にサービス終了予定)
- Piano Partner2
- Piano Designer
それぞれ、どんなことができるのか見ていきましょう。
Roland Piano App
2022年8月にリリースされたばかりのアプリ!
このアプリを使えば、次のようなことができますよ!
- スマホをリモコンとして使える
- 目で見てテンポを確認できるビジュアル・メトロノーム
- 録音して聴き返すことができる「レコーダー」機能
- 日々の練習を記録する「タイムライン」機能
- ゲーム感覚で音感トレーニングができる(フラッシュ・カード)
- 内蔵曲の譜面表示
- 7日間ほどで1曲弾けるようになる練習メニューの提示(One Week Master)
- 自動伴奏機能
「④タイムライン機能」では、1日にどれくらい練習したかなど、日々の練習を記録してくれます。
練習の目標時間を設定することもできるので、モチベーションを維持しやすいですよね!
「⑦自動伴奏機能」では、あなたの演奏に合わせて、
- ポップス
- ジャズ
- ブルース
など、さまざまなジャンルの伴奏をリアルタイムでつけてくれるので、楽しく練習ができますよ!
LX708、LX706、LX705、HP704、HP702、RP701、F701、FP-90X、FP-60X、FP-30X
Piano Every Day
ローランドの電子ピアノと、「Piano Every Day」をつなぐだけで、あなたの練習を自動的に録音!
また、
- 日々の練習時間やメニューを記録
- 1週間で1曲をマスターするための練習メニューの提示
など、練習をサポートする機能が充実!
独学で学びたい方にもぴったりのアプリですよ。
Piano Every Dayは、2022年末でサービスが終了します。
購入済みの楽譜などは、「Roland Piano App 」に移行ができますよ。
LX700/HP700シリーズ、RP701、F701、FP-90X/60X/30X
Piano Partner2
「Piano Partner2」では、次のようなことができますよ。
- スマホをリモコンとして使える
- レコーダー機能
- 練習を記録(ダイアリー)
- ゲーム感覚で音感トレーニングができる(フラッシュ・カード)
- 内蔵曲の譜面表示
- 自動伴奏機能
GP609、GP607、LX-17、LX-7、HP605、HP603A/HP603、HP601、RP501R、RP102、KIYOLA KF-10、DP603、F-140R、FP-90、FP-60、FP-30、FP-10、GO:PIANO (GO-61P)、GO:PIANO88 (GO-88P)、GO-PIANO with Alexa Built-in (GO-61P-A)
Piano Designer
アコースティックピアノのように、
- 音程
- 音量
- 大屋根の開き具合
- 弦の響きの状態
などを、「スマホ」や「タブレット」の画面上で、わかりやすく調節ができるアプリ。
著名な調律師による調律に設定し、演奏することもできますよ!
Bluetooth: LX708, LX706, LX705, HP704, HP702, RP701, F701, FP-90X, FP-60X, FP-30X, GP609, GP607, LX-17, LX-7, HP605, HP603, HP603A, HP601, KIYOLA KF-10, DP603, FP-90, FP-60Wireless LAN: LX-15e, HP508, HP506, HP504, DP90Se, DP90e, FP-80
ローランド電子ピアノ【シリーズによる違い】
ローランドの電子ピアノのシリーズは、8つ!
それぞれのシリーズを、ひとことでまとめると、次のようになります。
- GP…デジタル・グランドピアノ
- LX…最上級モデル
- Kiyola…大手家具メーカー「カリモク」とのコラボモデル
- HP…モデリング音源の本格派モデル
- DP…スリム&本格的
- RP…エントリーモデル
- F…スリムタイプ
- FP…卓上タイプ
ローランド電子ピアノ 【音源とBluetoothオーディオ】 |
||
音源 | Bluetoothオーディオ | |
GP | モデリング | ○ |
LX | モデリング | ○ |
Kiyola | モデリング | ○ |
HP | モデリング | ○ |
DP | モデリング | ○ |
RP | サンプリング | ○ |
F | サンプリング | ○ |
FP | (FP–90X)モデリング、他 サンプリング | (FP–10)×、他 ○ |
ローランドの電子ピアノおすすめ8選
- FP–10
- FP–30X
- RP701
- F701
- KIYOLA KF–10
- HP704
- LX705
- LX706
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
FP–10
「FP–10」は、市場価格が4〜5万円台と、低価格ながら
- 象牙調鍵盤
- エスケープメントつき
と、鍵盤の機能が高いのが特徴!
鍵盤センサーの精度も高く、表現力も豊か!
しかし、
- 録音機能
- Bluetoothオーディオ機能
はありません。
ひとつ上のモデル「FP–30X」なら、その2つの機能もついていますよ!
FP–30X
鍵盤は、「FP–10」と同じですが、
- 録音機能
- Bluetoothオーディオ機能
が追加され、ぐっと便利になります。
また、無料アプリ「Roland Piano App 」が使えるため、楽しく練習ができますよ!
「FP–30X」と「FP–10」の違いについて、くわしくは、卓上電子ピアノのおすすめ7選 | ヤマハ講師が選び方と注意点を解説に書いています。
RP701
ローランド電子ピアノのエントリー・モデルであるRP–701。
初心者にも使いやすいよう「日本語ディスプレイ」を採用!
他メーカーの10万円台モデルだと、
- ディスプレイがない
- 英語表記のディスプレイ
というモデルも少なくありません。
10万円台ながら、
- 324音色
- 内蔵曲397曲
- Bluetoothオーディオ機能
- オーディオ録音可能
と、多機能で、コスパが高いのも魅力!
内蔵曲には、
- ハノン
- バイエル
- ブルグミュラー
- ツェルニー
など、ピアノ教室でよく使われる曲が入っているので、レッスンに通う方にもおすすめですよ!
演奏に集中したい時に、
鍵盤蓋をスライドさせて、操作パネルを隠せる
という細かい工夫も嬉しいポイント!
F701
ひとつ上で紹介した「RP701」と、性能は、ほぼ同じ!
大きな違いはサイズです。
RP701 | キャビネットタイプ【鍵盤蓋 スライド式・1,366mm(W)×463mm(D)×1027mm(H)】 |
---|---|
F701 | スリムタイプ【鍵盤蓋 折りたたみ式・1,360mm(W)×345mm(D)×781mm(H)】 |
「F701」は、スリムで、インテリアにもなじむモダンなデザイン!
電子ピアノを置くスペースや、インテリアに合わせて
- RP701
- F701
を選べるのが嬉しいですね!
ただし、「RP701」と「F701」の性能は、ほぼ同じですが、ペダルの機能に少し違いがあるので、それも確認しておくと安心ですよ!
KIYOLA(KF–10)
「KIYOLA」は、家具メーカー「カリモク」とのコラボモデル。
- 一台一台、表情の違う天然木の木目
- 曲線美を活かしたおしゃれなデザイン
など、つい眺めていたくなる「家具のような電子ピアノ」です。
また、「座り心地」を徹底的に研究している「カリモク」の技術を活かした椅子は、長時間でも快適にピアノ練習が可能!
「モデリング音源」を搭載しているため、音色も豊かですよ。
HP704
表情が豊かな「モデリング音源」を搭載しているHP704。
さらに、スピーカーシステムにもこだわっていて、グランドピアノの響きを再現しています。(アコースティック・プロジェクション)
鍵盤は、木材と樹脂を組み合わせたPHA–50鍵盤。
樹脂を組み合わせることで、耐久性も高くなっていますよ。
LX705
「LX」は、ローランドの最上級シリーズ。
「LX705」には、ローランドの最上級の音源「ピュアアコースティック・ピアノ音源」というモデリング音源が搭載されています。
LX706
- ローランドの最上級の音源「ピュアアコースティック・ピアノ音源」
- ローランド最上級の鍵盤「ハイブリッド・グランド鍵盤」
が搭載されたモデル!
スピーカー数は6つと多く、音色がとても豊か!
「ハイブリッド・グランド鍵盤」は、支点までの距離が長いため、グランドピアノのように鍵盤の奥の方でも弾きやすいのが特徴!
完全な木製の鍵盤ではなく、木材と樹脂を組み合わせた鍵盤のため、耐久性が高いというメリットもありますよ。