私はヤマハ音楽教室で講師をしています。
というお悩みをお母さまから聞くことがあります。
幼児科は、グループレッスンなので、全体の足並みをそろえながら進めていきます。
そのため、よく弾けるお子さまの場合、物足りなく感じることもありますよね。
そこで、今回はヤマハ講師が、次の2つのことをお伝えします。
- 幼児科が物足りなくなったときに、家でできる練習法
- 個人レッスンに変えた場合のメリットとデメリット
幼児科のレッスンの宿題に少しプラスして、練習するだけで、お子さまの音感がグングン伸びますよ♪
幼児科が物足りないときに音感をさらに伸ばす4つの練習法
練習法をお伝えする前に、幼児科で使うテキスト「ぷらいまりー」の項目についてお話します。
「ぷらいまりー」には、次の3つの項目があります。
- 歌詞唱
- 鍵盤あそび
- レパートリー
1つずつ、内容をお話します。
歌詞がついている曲です。
歌詞唱は、歌う曲なので弾きません。
レパートリーの準備のための曲です。
基本的には、片手でCDに合わせて弾きます。
(ぷらいまりー④のたからさがしのみ、両手が出てきます)
「鍵盤あそび」との区別が難しいですが、8小節以上の長めの曲が、「レパートリー」です。
ぷらいまりー①では片手ですが、ぷらいまりー②以降、両手で弾く曲です。
練習法① 過去に仕上げたレパートリーを弾く
これは、幼児科が物足りなくなくても、やってほしい練習法なんですが、過去に仕上げたレパートリーを繰り返し弾くことで、音感やハーモニー感が定着します。
練習法② CDに合わせて弾く
CDに合わせて弾くことで、その曲に合ったテンポで弾くことができます。
また、等速感(最後まで同じテンポで弾く力)もつけられます。
幼児科のCDは、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団や、ロンドン交響楽団など世界的に有名なオーケストラによって録音されています。
オーケストラの様々な音色を聴きながら弾くことで、曲のイメージがふくらみ、表現力も豊かになります。
練習法③ CDで転調している曲は、メロディを聴き取って弾く。
幼児科のレパートリーの中には、CDの中で転調されている曲があります。
転調とは、曲の途中で調が変わることです。
例えば、ぷらいまりー②のCDで「みつばちマーチ」を聴いてみてください。
はじめは、テキスト通りハ長調ですが、途中からへ長調に変わります。
レッスンでも、レパートリーをCDに合わせて歌うときに、
先生が「ここは、音の高さが変わってるから聴いててね〜」とか、
言うことがありませんか?
その部分は、転調されているんです。
テキストに載っている調が弾けるようになったら、CDで転調されているメロディを聴き取って弾くと、音感や移調力が育てられます。
メロディが聴き取れたら、それに合う和音を探し両手で弾くと、ハーモニー感も育てられます。
この練習法は、お子さま一人でするのは難しいので、担当の先生にご相談の上、お母さまも一緒におうちでやってみてください。
練習法④ 幼稚園で歌っている曲、好きなテレビの曲のメロディを鍵盤で探して弾いてみる
幼児科では音感が育つレッスンをしているので、幼児科の生徒さんは、耳で聴いたメロディを自分で鍵盤で探して弾くということができるんです。
耳で覚えているメロディを、鍵盤で探しながら弾くことは、音感をぐんぐん育てます。
レッスンでピアノの前に出てドレミで歌っている曲(メロディ暗唱)を弾いてみるのもいいと思います。
でも、これはお子さまご自身が、興味を持ってやることが大切です。
メロディ暗唱は、先生のマネをして何度も歌うだけで、音感を育てるので、家で無理に弾く必要はありません。
(番外編)幼児科オプションレッスンをつける
幼児科が物足りないと感じている時は、オプションでつけられる個人レッスンもおすすめです。
お子さまに合わせて、市販のテキストを使ったり、グループレッスンの復習をしたりします。
幼児科で、音感やソルフェージュ力を育てながら、オプションレッスンでは、お子さまのペースに合わせて、楽譜を読む力や弾く力をさらにのばしていくことができます。
レッスン回数は、月に1〜3回から選ぶことができて、保護者の方の同伴は、任意です。
個人レッスンにした場合のメリットとデメリット
個人レッスンにした場合のメリット
個人レッスンの大きなメリットは、一人一人のペースに合わせて進められることです。
幼児科は、グループレッスンなので全体の足並みをそろえる必要があります。
そのため、よく弾ける子の場合、物足りなく感じることもあります。
個人レッスンの場合は、お子さまのペースに合わせて進めていけます。
また一対一なので、より細やかな指導ができます。
個人レッスンにした場合のデメリット
個人レッスンにした場合のデメリットは2つです。
- 幼児科のテキスト「ぷらいまりー」を使えない
- ヤマハのグループレッスンには戻れない
それぞれ、詳しくお話します。
①幼児科のテキスト「ぷらいまりー」を使えない
幼児科で使うテキスト「ぷらいまりー」は、聴覚が発達する4歳〜6歳の年齢に合わせて、作られています。
ぷらいまりーでは、
きく → うたう → ひく → よむ
の順番で曲を仕上げていくことで、音感やハーモニー感を育てます。
幼児科から個人レッスンへ変わる場合は、ぷらいまりーを使うことはできないので、市販のテキストを使った個人レッスンになります。
市販のテキストは、一般的に
よむ → ひく
の順番で曲を仕上げていきます。
- 音感を育てたい
- 読む力より聴く力を育てたい
という場合は、耳の力をつけるための項目がぎゅっとつまった「ぷらいまりー」の方が、おすすめです。
②ヤマハのグループレッスンには戻れない
幼児科を途中でやめてしまうと、その後ヤマハのグループレッスンには戻れなくなります。
まとめ
今回は、「幼児科が物足りない」と感じたときに、家でできる練習法をお伝えしました。
今回、お伝えした練習をすることで、音感やハーモニー感などの耳の力をさらに伸ばすことができます。
担当の先生にもご相談の上、ぜひやってもらえたらと思います。
人気記事 おすすめの子供の音楽教室【ヤマハ講師が7つの教室を徹底比較】
人気記事 【子供のピアノ教室の選び方】体験レッスンでチェックすべきポイントとは