とりあえず、簡単な楽譜を買って弾いていったらいいかな…。
そんなふうに考えていませんか?
独学でピアノを始める場合、簡単な曲をたくさん弾いていくのも、1つの練習法ですよね。
でも、好きな曲を弾くだけでは、必要な力がつかないこともあるんです。
基礎を身につけていくことで、一歩ずつ確実に上達することができますよ。
今回は、現役ヤマハ講師が
基礎が身につく!独学でのピアノ教本の進め方
をお伝えします!
Contents
ピアノの基礎練習とは
まずは、
ピアノの基礎練習ってどんなことをするのか?
についてお話します。
ピアノの基礎練習は、おおまかに分けると次の2つ!
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
①練習曲集には…
- ブルグミュラー25の練習曲
- ツェルニー30番練習曲
②指のトレーニングの教本には…
- ハノンピアノ教本
- リトル ピシュナ48の基礎練習曲集
などがありますよ。
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
は、どちらもピアノを弾くためのテクニックを基礎から身につけるための教本です。
練習曲集 | 1つ1つの曲が曲としてまとまっている |
---|---|
指のトレーニングの教本 | 曲っぽさがなく指のトレーニングがメイン |
という感じです。
独学でのピアノ教本の進め方
それでは、基礎が身につく独学でのピアノ教本の進め方を
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
にわけてお伝えしますね。
練習曲集の進め方
独学でピアノを弾く場合、次の順番で練習曲集を進めるのがおすすめです。
- はじめからひとりで学べる大人のためのピアノレッスン
- 大人のための独習バイエル上巻、下巻
- 大人のための独習ブルグミュラー25の練習曲
それぞれどんな教本なのか見ていきましょう。
はじめからひとりで学べる大人のためのピアノレッスン
「はじめから一人で学べる大人のためのピアノレッスン」は、独学用のピアノ教本です。
独学用のピアノ教本はいろいろありますが、私が一番わかりやすいと思ったのが「はじめから一人で学べる大人のためのピアノレッスン」でした。
独学でピアノを始める場合、
- 何から始めたらいいの?
- どうやって練習したらいいの?
- 弾く姿勢や手の形は?
- 楽譜の読み方は?
など、わからないことが多いですよね。
「はじめから一人で学べる大人のためのピアノレッスン」は
- ピアノを弾く姿勢
- 楽譜の仕組み
など基本からしっかり学べるので、ピアノ経験がゼロでも大丈夫!
それから、練習手順がとてもていねいに書かれているんです。
ピアノ初心者にとても多い悩みが
なんです。
「はじめから一人で学べる大人のためのピアノレッスン」は、書いてあるとおりの順番で練習していくだけで、曲が弾けるようになっていきますよ。
大人のための独習バイエル
「バイエル」は、聞いたことある!って方も多いかもしれません。
初級用のピアノ教本の定番です。
ピアノ教室でもよく使われるんですが、単調な曲が多いので子供の場合、
と感じる子もいます。
でも、独学でピアノを始める大人の方にはおすすめ!
なぜなら楽譜を読む力がつきやすいからです。
楽譜を読んで弾くために大事なことはなんだと思いますか?
次の2つです!
- 音符の長さを理解すること (リズムが読めること)
- 鍵盤ではなく楽譜を見ながら弾けること
「バイエル」のはじめの方の曲は、指のポジションを変えずに曲が弾けます。(はじめに用意した場所から手を移動させなくても弾けるということ)
だから、鍵盤ではなく楽譜を見ながら弾きやすいんです。
また、バイエルの曲は

という音符の長さを理解しやすいので、リズムを読む力もついていきますよ。
バイエルはたくさん出版されているので、
と疑問に思う方もいると思いますが、独学でピアノを始める大人の方には、
大人のための独習バイエル
がおすすめ。
なぜなら「大人のための独習バイエル」は、独学でピアノを学ぶ大人のために作られているからです。
- 練習法
- 大事なポイント
など、ピアノの先生から教えてもらうような解説がついています。
大人のための独習ブルグミュラー25の練習曲
「ブルグミュラー25の練習曲」は、とてもよく使われている定番の練習曲集。
ピアノ教室でも、バイエルが終わったらブルグミュラー25の練習曲に進むっていうパターンも多いですよ。
「バイエル」は、曲名がついていなくて単調な曲が多いんですが、「ブルグミュラー25の練習曲」は曲名があって曲想も豊か!
でも、ただ弾くだけではダメなんです!
ブルグミュラー25の練習曲の1つ1つの曲には、練習の目的があります。
例えば、
素直な心 | 長いスラーのメロディをなめらかに弾く練習 |
---|---|
アラベスク | 16分音符を正確に弾く練習 |
牧歌 | 装飾音のあるメロディをきれいに弾く練習 |
などです。
でも、練習の目的って独学ではわかりにくいですよね。
「大人のための独習ブルグミュラー25の練習曲」なら
- 練習の目的
- 演奏のポイント
- 練習法
の解説がついているので独学でも大丈夫!
指のトレーニングのための教本の進め方
ピアノを弾いている方にとても多い悩みが
指のトレーニングを練習に取り入れることで指が動きやすくなりますよ。
独学でピアノを始める大人の方におすすめの指のトレーニングの教本は次の4冊。
- バーナムピアノテクニック導入書〜4巻
- ツェルニー リトルピアニスト
- ツェルニー やさしい20の練習曲
- 大人からはじめるハノンピアノ教本
- ツェルニー リトルピアニスト
- ツェルニー やさしい20の練習曲
の2冊は、1つ1つの曲が曲としてまとまっています。
つまり、指のトレーニングの教本ではなく練習曲集です。
でも、
それでは、1冊ずつ見ていきましょう。
バーナムピアノテクニック
バーナムピアノテクニックは、中身のイラストが子供向けですが、ピアノ初心者の大人にもおすすめです。
なぜなら
- 1曲が短いので読みやすい
- 導入書は指のポジションがほとんど変わらないので弾きやすい
からです。
全くピアノ経験のない大人の方でも、ピアノ演奏に必要なテクニックを無理なく少しずつ学べますよ。
「バーナム・ピアノテクニック」は、やさしい順に
ミニブック
↓
導入書
↓
1巻
↓
2巻
↓
3巻
↓
4巻
まであります。
ピアノ経験が全くない方は、導入書から始めるのがおすすめです。
ツェルニー 「リトルピアニスト」
ツェルニー(チェルニー)は、たくさんの練習曲を残した作曲家です。
ピアノ教室でも、とてもよく使われている定番の練習曲集。
ツェルニー「リトルピアニスト」は、バイエルと併用して使うことができますよ。
ツェルニー「やさしい20の練習曲」
チェルニー「やさしい20の練習曲」は、バイエル後半〜ブルグミュラー25の練習曲と併用して使えます。
やさしい20の練習曲は、ツェルニーの5つの練習曲集の中から20曲を選んでまとめています。
- リトルピアニスト
- 100番練習曲
- 125のパッセージ練習曲
- 8小節の練習曲
- 第一課程練習曲
700曲にも及ぶ5つの練習曲集の中から20曲を厳選した、いいとこどり!の「チェルニー やさしい20の練習曲」。
本によって「ツェルニー」だったり、「チェルニー」だったりしますが、同一人物です(^^)
大人からはじめるハノンピアノ教本
「ハノン」は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
指のトレーニングの教本として、とてもよく使われています。
- 右手と左手が同じ音(オクターブ違い)
- 同じ音形の繰り返し
なので譜読みがしやすく、初心者の方でも取り組みやすそうに見えます。
でも、ハノンは
- 手首をやわらかくして弾く
- 音のつぶをそろえる
- 音楽的な表現を意識して弾く
など、
- 手のフォーム
- 弾き方
などが大事なので、初級の曲をいろいろ経験してからハノンをする方がいいんです。
そんな理由でハノンは、初心者の方にはおすすめしません。
でも、
大人からはじめるハノンピアノ教本
であれば、独学で弾く初心者の方にもおすすめ!
ハノンピアノ教本は60番まであるんですが、「大人からはじめるハノンピアノ教本」には、1番〜20番までが入っています。
- 練習方法
- 練習の目的(身につけるべきポイント)
がていねいに解説されてるので、独学でもハノンを学べますよ。
バーナムピアノテクニックの進め方
大人の場合、バーナムピアノテクニックは導入書から進めていくのがおすすめ。
導入書なら、始めたばかりの初心者でも弾きやすいですよ。
バーナムピアノテクニックの進め方
バーナムピアノテクニック導入書
↓
バーナムピアノテクニック1巻
↓
バーナムピアノテクニック2巻
↓
バーナムピアノテクニック3巻
↓
バーナムピアノテクニック4巻
- ツェルニー リトルピアニスト
- ツェルニー やさしい20の練習曲
- 大人からはじめるハノンピアノ教本
をするなら…
ツェルニー リトルピアニストは、バーナムピアノテクニック1巻が終わってから。
ツェルニー やさしい20の練習曲と大人からはじめるハノンピアノ教本
は、バーナムピアノテクニック2巻が終わってから始めるといいですよ。
例えば、

まとめ
独学でのピアノの進め方は
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
の2種類の教本を併用して進めていくといいですよ。
余裕があれば、上の2種類の教本とはべつに、好きな曲の楽譜を練習してはいかがでしょうか?
好きな曲が弾けるとモチベーションがアップ♪
好きな曲の楽譜の選び方は【独学のピアノ練習法】経験ゼロの大人でも弾ける!2種類の教本とはに書いています。