私はヤマハ音楽教室でピアノ講師をしています。
もっとピアノが上手くなりたい!
独学でピアノを弾いていると、
- たくさん練習しても弾けるようにならない
- 上手くなっている気がしない…
など、壁にぶつかってしまうことがありますよね。
その原因は、基礎的なテクニックが身についていないからかもしれません。
基礎練習を取り入れて、テクニックを身につけていけば、壁を乗り越えられることが多いですよ!
今回は、
独学でピアノを弾いている方の基礎練習
について解説します。
レベル的には「ブルグミュラー25の練習曲」ぐらいの曲を弾いている方向けです。
ピアノ初心者の方の基礎練習については、【独学ピアノの進め方】基礎を身につければ確実に上達する!をどうぞ。
ピアノが上手くなるために基礎練習が大事な理由
ピアノが上手くなるためには、基礎練習を取り入れることも必要です。
ピアノの基礎練習の目的は次の2つ!
- 曲を弾くために必要なテクニックを身につける
- 動かしにくい指をなくす
1つずつ、くわしく見ていきましょう。
曲を弾くために必要なテクニックを身につける
基礎練習の目的のひとつは、曲を弾くためのテクニックを身につけること。
- スケール
- アルペジオ
- トリル
- 重音
- 跳躍
- 装飾音
- ジグザグ音型
- 同音連打
- 半音階
- 3連符
などが、弾きたい曲の中で出てきたとき、つまずいてしまうことはありませんか?
基礎練習で、そういったテクニックを身につけておけば、いざ曲の中でそれが出てきたときに、壁にぶつかることが少なくなります!
基礎練習曲は、1曲ごとに目的がはっきりしているので、
という方は、スケールを目的にした基礎練習曲に取り組むことで、効率よくテクニックを身につけていくことができますよ。
動かしにくい指をなくす
など、ピアノの練習してしていると
動きにくい指
が出てきますよね。
基礎練習曲は、そういった指を効率よくトレーニングすることができます。
たとえば、【リトルピシュナ】。
1と2の指は音をおさえたまま、3と4の指を動かす
みたいな練習が出てくるので、動かしにくい指を集中してトレーニングできるんです。
ピアノの基礎練習とは
という疑問もあると思います。
ピアノの基礎練習は、次の2つに分けられます。
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
ピアノ教室でもよく使われる練習曲集は
- ブルグミュラー25の練習曲
- ツェルニー練習曲(30番、40番etc.)
- クラーマー=ビューロー60の練習曲
- ショパン エチュード集
などがあります。
指のトレーニングの教本なら
- ハノンピアノ教本
- リトル ピシュナ48の基礎練習曲集
- ピシュナ 60の練習曲
- ベレンス 左手のトレーニング
などがあります。
トレーニングの教本の方は、曲っぽさがなく指のトレーニングがメインです。
ピアノ上達のためには
- 練習曲集
- トレーニングの教本
のどちらも大切!
では、
- 独学でピアノを弾いている
- ブルグミュラー25の練習曲レベルの曲は弾ける
- ピアノがもっと上手くなりたい!
という方におすすめの
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
を紹介していきますね。
練習曲集
まずは練習曲集から。
おすすめは、「ツェルニー30番練習曲」です。
くわしく見ていきましょう。
ツェルニー30番練習曲
ツェルニーの練習曲集は
- 100番
- 30番
- 40番
- 50番
- 60番
などなど…
この他にもたくさんの練習曲集があります!
なかでも、使われることがとても多いのが、このツェルニー30番練習曲。
ツェルニー30番練習曲は中級レベルの練習曲集です。
- ブルグミュラー25の練習曲
- ツェルニー やさしい20の練習曲
- ツェルニーリトルピアニスト
- ツェルニー100番練習曲
などをやってからツェルニー30番に入ると弾きやすいですよ。
- ブルグミュラー25の練習曲
- ツェルニー やさしい20の練習曲
については、【独学ピアノの進め方】基礎を身につければ確実に上達する!に書いています。
ツェルニー30番練習曲の次は?
ツェルニー40番練習曲のあとは
- モシュコフスキー15の練習曲
- クラーマー=ビューロー60の練習曲
- ツェルニー50番練習曲
などの練習曲集がありますよ。
指のトレーニングのための教本
独学でピアノを弾いている方におすすめのトレーニングの教本は次の2冊です。
- ハノンピアノ教本
- リトルピシュナ48の基礎練習曲集
練習曲集を弾く前にトレーニングの教本をやると、ウォーミングアップにもなります。
それでは、1冊ずつ見ていきましょう。
ハノンピアノ教本
ハノンは、基礎練習の教本としてとてもよく使われています。
この記事を読んでくださってる方の中にも
という方もいるかもしれません。
ハノンの目的は、
- 5本の指を同じように使えるようにすること
- 右手も左手も同じように使えるようにすること
です。
そのため、
- 音の粒がそろっているか(弱い音があったり、強い音があったりしないか)
- 右手と左手が同じように弾けているか(そろっているか、音の大きさは同じかなど)
をよく耳で聴きながら練習してください。
また、
- 弾くときの姿勢
- 手のフォーム
もとても大事!
- 手首や腕をかためて弾いていないか
- 身体のどこかに力が入っていないか
そういったことを確認しながら、まずはゆっくり練習していきましょう。
リトルピシュナ48の基礎練習曲集
リトルピシュナは、
- 1と2の指で重音を押さえたまま、3と4の指を動かす
- 重音によるトリル
など、
という、練習がたくさん!
その分、「指の独立」という点では効果も高いと思います!
ハノンは…
- 右手と左手が同じ動き
- 音階練習までは、ずっとハ長調
ですが、リトルピシュナは、
- 右手と左手が違う動きをする
- 1小節ごとに調が変わる
ので、ハノンとはまた違う形で指のトレーニングができますよ。
基礎練習のポイント
独学だと練習方法に悩みますよね。
基礎練習は、ただ弾くだけではなく、次の4つのポイントを意識して練習することで効果がアップ!
基礎練習のポイントは次の3つ。
- 曲の目的を理解して練習する
- 手の形(フォーム)を意識して弾く
- 脱力
- ゆっくりから練習する
1つずつ、見ていきましょう。
曲の目的を理解して練習する
練習曲集もテクニックの教本も、1つ1つの曲には、練習の目的があります。
練習の目的を理解してから、弾くことが大切。
練習の目的は、教本の初めで解説されている場合が多いので、独学の場合は解説も読んでくださいね。
手の形(フォーム)
ピアノを弾くとき、手の形はとても大事ですよね。
基礎練習の目的の1つは、
手の形を意識して正しいフォームを身につけること
- ハノン
- リトルピシュナ
は、同じ音型を繰り返す単純な構成になっています。
だからこそ、正しい手の形を意識しやすいですよね。
脱力
練習曲集やテクニックの教本は、手首を固めて力任せに弾こうとすると手を痛めることにもなりかねむせん。
ピアノは、身体を固めて、力んで弾くと「いい音」が出ません。
- いい音を出す
- 指を動かしやすくする
- 手首や腕を自由に使う
ためには、脱力が大事なんです。
でも、独学では脱力ができているのかって、わかりにくいですよね。
脱力のためには、身体について正しいイメージを持つことが大事!
次のようなイメージを持ってください。
①手首
腕時計をつけるあたりだけが手首ではありません。
腕時計をつけるあたりにポコッと出ている骨の前から手に近い方へ5㎝ほどが手首です。
指を動かしやすくするために、手首は
- 長い
- 柔軟性がある
というイメージを持ちましょう。
②腕
腕の始まりは肩ではありません。
鎖骨や肩甲骨も腕です。
- 鎖骨を端から端までたどってみる
- 肩甲骨を触ってみる
をやってみてください。その部分も腕です。
③指
指の始まりは、見た目で指が分かれているところではありません。
指の始まりは手首のあたりです。
指の始まりが、見た目で指が分かれているところだと思っていると、指の動きがかたくなる🤔
指の始まりは手首あたり(手根中手関節)にあります。
人は、実際の身体のつくりじゃなく、頭の中のイメージで身体を動かそうとしてしまう。
間違ったイメージを持つと、余計な力が入ってしまいます。 pic.twitter.com/82fE9Nn9No
— まきの@ピアノ講師 (@amane_makino) December 25, 2020
ゆっくりから練習する
練習曲集、テクニックの教本は、2つとも最終的にはテンポを上げて弾きます。
でも、はじめは
- 正しい手のフォームで弾けているか
- 身体に力が入っていないか
- 音のつぶはそろっているか(強かったり弱かったりする音がないか)
を確認できるテンポで練習してください。
まとめ
基礎テクニックが身についていなければ、いずれ壁にぶつかることが多いと思います。
基礎練習を取り入れると、きっと上達を感じることができるはずです!
基礎練習は、
- 練習曲集
- 指のトレーニングの教本
を使います。
独学でピアノを弾いている方に、おすすめの練習曲集は、
です。
独学でピアノを弾いている方に、おすすめの指のトレーニングの教本は、
です。
次の4つを意識して、練習してくださいね。
- 曲の目的を理解して練習する
- 手の形(フォーム)を意識して弾く
- 脱力
- ゆっくりから練習する